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    ③@PgpgBlackice

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    2人の日課のお話

    ##小咄
    ##クローディエ

    ククルカ、ケツァルカトル俺とケツァルには1日の終わりに必ず行う、ある決まり事がある。




    「おいでククルカ、毛繕いをしよう。」


    俺には殆ど関係ないが、クローディェの連中の1日は多忙だ。
    早朝はロメリエ巡回、昼は鍛錬に励む者、任につくもの等々で騒々しいが、夜はロメリエのベレーノ区巡回と書類整理でクローディェ本部は覆いを被せられたかのように静かになる。
    クローディェ三隊長の一人であり、俺の大事な片割れでもあるケツァルカトルも例外ではなく、得意ではないながらもせっせと提出書類にペンを走らせ、先程漸く書き終わったようだ。
    今は俺達二人に割り当てられた部屋の床に座り込み、俺を手招いている。

    「おいでククルカ、毛繕いをしよう。」

    妙に聞こえるかもしれないが、これは俺達二人がガキと雛鳥だったころから続けてきたいわゆる日課というやつだ。
    ケツァルの背中には翼が生えていて、俺に到っては鳥そのものの姿をしている(今はヒト型に擬態してはいるが)。種族こそ少しの相違はあるものの、俺達はとても仲のいい兄弟だ。

    有翼の者にとって羽を他人に触れさせるのはなかなか抵抗のあることで、ましてや俺達空の戦士にとって命ともいうべき羽の手入れを人に任せるのは、相手をに絶大の信頼を寄せていなければ到底出来ることではない。

    だから幾寸の迷いもなく昔から毎日俺だけに掛けられるこの言葉が、俺には少し誇らしかったりする。


    体をぶるっと震わせヒトから獣の姿になった俺は、彼の背中の後ろに身を落ち着けた。すると間髪入れずもふりと彼が俺のふかふかの胸板に体を預けてくる。
    最後に俺が腕を広げ、彼を抱きかかえるようにすると毛繕いの準備は完了だ。

    俺が毛繕いのときわざわざ獣の姿になる理由の一つ目がこれだ。
    四六時中行動を共にしていても、ここまで密着していられるのはこの就寝前の時だけだ。そしてヒトの姿では彼を抱きかかえることすらままならない。


    毛繕いはとても穏やかな時間が流れる中行われる。
    ケツァルの羽は幼い頃から変わらず柔らかく、とてもさわり心地がいい。この羽で風を掴み大空を羽ばたいているのかと思うといささか不安な気持ちになるが、空を舞っている時の彼の表情を見ると、そんな不安はたちまち消え去ってしまう。
    俺が丹念に彼の羽を手入れしている間、彼も同じように目の前に覆い被さっている俺の羽を丹念に調べ上げていた。一本一本、真剣ながらもどこかリラックスした雰囲気で羽毛の海に沈んでいる姿はまるで昔と変わらず、眺めていて自然と頬が緩むのがわかる。


    毛繕いが終わった後は、眠りに落ちるまでのつかの間のリラックスタイムとして、いつもたわいのない会話をしたり、童心に返ってじゃれあいを楽しむ。
    何を隠そう、この時間は1日のうちで俺が一番好きな時間だ。そして俺が獣の姿でいたい理由の二つ目がこの瞬間だ。

    どうもケツァルはヒト型の俺には遠慮してしまうようで、昔一度ヒト型で毛繕いをしようとしたときは酷く気まずがられた。
    もちろんその時は俺の大好きな時間もおあずけなわけで、そんなことがあってからは毛繕いという大切な兄弟の時間は決してヒト型にはなるまいと心に決めているのだ。


    毛繕いを終了し自分の羽を仕舞ったケツァルは、満足のため息をつきながら俺の胸に全体重を預けてきた。もちろん獣の姿の俺はそれくらいではびくともしないが、成人男性一人を支えているのだから重くないわけではない。それに彼は俺が羽をしまうのをよしとしないので(昔毛繕いが終わってさっさと羽をしまうと玩具をとられた子供みたいな顔をされた。)羽はだらしなくケツァルに覆い被せたままだ。

    なかなか苦しい体勢だが、彼がわがままを言える相手は俺だけなのだと考えると俄然張り切ってケツァルを甘やかせたくなってくる。


    楽しい時はあっという間に過ぎるというが俺達の場合は少し違う。時間の流れより先に睡魔が襲ってくるのだ。
    日々の仕事量の差を考えると仕方ないかもしれないが、大抵は先にケツァルが睡魔の餌食となる。
    思慮深そうな金色の瞳がパタパタと緩慢なまばたきを始めるのが、眠気到来の合図だ。

    完全に眠りに落ちる前にヒト型に戻ってケツァルをベッドに運んでやる。そうして半ば眠っているケツァルの頬を一撫し、額にキスを落とす。運ぶときだけヒト型に戻るのはこれをしたいがためだったりする。

    「おやすみ、兄弟。俺のケツァル。」

    血を分けた兄弟であり、背を預けられる戦友であり、気の置けない親友。もちろんその通りだが、俺にとってケツァルはそんな言葉だけでは言い表すことの出来ない特別な存在なのだ。



    体を一振りし再び元の姿に戻った俺は、ケツァルの隣に体を落ち着けた。
    どのくらいそうしていただろうか、ケツァルの寝顔を見守るうちに、ようやく俺にも睡魔が訪れる。

    「おやすみ、ケツァル。」
    もちろん聞こえてはいないだろうが再び彼にそう呟き、俺は意識を手放した。






    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ククルカはケツァルカトルに超依存してて、自分でも気付かないくらい当たり前のようにケツァルを愛している
    その愛は情愛、友愛が殆どなんだろうけど奥には仄かな恋情もくすぶってる的な…
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