ハニームーンと甘い星そういえばハネムーンに行ってないな、ということをふと思い出す。
オレはバス運転手、彼女はレストランのシェフと全く異なる職種のため、休日が重なるのは月に数日あればいい方だ。
でもそんなことはどうだっていい。
オレは彼女さえそばにいればそれでいいんだ。
彼女もきっと同じ気持ちだろうと思うから、オレたちはこれまで一緒に暮らしてきたわけだ。
けれど、結婚した以上はそういう特別なイベントも楽しみたいのが本音ではある。
……だが、その話はまだ彼女にはしていない。
オレはともかく、彼女は店の主だ。おいそれとまとまった休みなんて取れるはずもないじゃないか。
だからこれはあくまでオレ個人の願望なんだ。
そんなある日の夕食の時間。
リビングで何気なく流していたテレビが、日本を特集する番組を放映していた。
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