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    masu_oekaki8810

    @masu_oekaki8810

    モブサイコに出会ってしまった。
    見よ、これが恩寵だ。
    すごい…これが。

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    masu_oekaki8810

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    君と暮らせたらシリーズの2話目。こっちにあげてなかった。

    ツボミちゃんが自分の可愛さを受け入れるまでの話。

    ツボミちゃんもモブくんも幼稚園の設定です。
    (通ってたのは保育園なのかもしれないが…原作にそのへんの描写あったか思い出せず。)

    ※ラブとか両想いとかそういう描写は無いです。

    #モブサイコ100
    Mob Psycho 100
    #高嶺ツボミ
    japaneseCherryBirch

    可愛いままで生きるには 私がまだ幼すぎて何もわかってなかった頃、近所の年上の男の子たちが何故私にキモい虫を見せてきたり髪を引っ張ったりしてイジワルしてくるのか、理由がわからなかった。
     私はそのたびに泣いたり怒ったり逃げたりし、何度もはっきりと「やめて」と言った。
     それなのに、その子達はニタニタと嬉しそうに笑って、私を見かけるたびに嫌がらせをした。

     モブくんは、そんな男の子たちとは違った。いつも優しくて笑顔で、私を楽しませようと超能力で物を浮かせて見せてくれたり、何をして遊びたいかもちゃんと訊いてくれた。

     ある日、幼稚園の帰りにモブくんと遊ぶ約束をしていた神社に向かうと、境内のそばで知らない大人がウロウロしていた。「知らないおじさんだ。ちょっとヤだな…」と思って、階段を戻ってモブくんを待とうと思った矢先、その男は私を見て

    「ああ!そこのおじょうちゃん!向こうでケガをして泣いてる子がいるんだ!今、他の大人の人を呼んでるとこなんだけどまだ来なくてね、その子もその場所から動かせないから不安そうに泣いてるんだ!もしかしたら君の友達じゃないかな!?」

     私は咄嗟に「え!?」と振り返った。モブくんかも知れない。ここで会う約束してたし、モブくんは鈍臭くてよく転んで泣くから、きっとモブくんだ!…と、私はその男につい駆け寄ってしまった。

    「どこですか!?私の友達のモブくんかも!」

     私が切羽詰まった声でそう問いかけると、その男は「ああ、モブくんというのか!うん、男の子だったよ!さあ、こっちへ!君の顔を見たらきっと安心する」と言って、いきなり私の腕を掴んで引っ張り出した。

     振りほどけないほどの力で腕を握られ、神社の裏へと早足で連れて行かれ、小さな私の足がもつれた。
     なんだかおかしい気がする。でもモブくんが泣いてるかも。私のことを待ってるかも。そう思うとその男に抵抗して道を戻ることはできなかった。

    「ツーボミちゃ〜ん!」

     モブくんが私を探す声が聴こえた。今来た道の、後ろからだ。
     振り返ると、モブくんは境内の階段を昇りきったところでキョロキョロしながら私を探している。

    「モブくん!?」

     私が思わず声をあげると、モブくんはこちらに気づいて目が合った。
     頭の上からチッと男の舌打ちが聴こえて、「あ、この人はウソをついてたんだ」とようやく悟り、私はモブくんに大声で助けを求めた。

     あとは一瞬のことで、男の手がバチンと弾けて私の腕から離れると、男は真後ろにあった太い杉の幹に身体ごとぶつかった。まるでゾウにでも蹴られたみたいに。
     モブくんの髪はゆらゆらと逆立っていた。

     でも、モブくんのところに走って戻り、私がショックと恐怖と安心でわんわん泣いてる間に、男は逃げてしまっていた。


     変質者による幼女連れ去り未遂のニュースは、次の日には調味警察からの市内全体へ連絡が回った。 
     もちろん、私たちの通う幼稚園にも。
     先生たちは私が被害当事者であることを他の児童や保護者にはバレないようにしてくれていたが、私だけに対するいつもよりも気を遣った態度や、ずっと一人で帰れてたのに母が迎えに来るようになったことで、なんとなく知れ渡ってしまった。

     そんな中、また事件が起きた。あの変質者がまた別の女の子をかどわかそうとしたのだ。
     幸い、その子は小学校からのお知らせを受けて親からしっかりと注意されたばかりだったので、怪しい、と思ってすぐに防犯ブザーを鳴らし、パトロールを強化していたお巡りさんが来て逮捕となった。右手の手のひら全体が腫れたような怪我をしていたのも、犯人の目印として通達されていた。

     これでもう怖い目に遭わないと思った。私があの男に連れ去られそうになったのは、偶然あの神社に行ってしまったからだ。運が悪かっただけ。そう思うようにしていた。

     でも、聞いてしまった。
     犯人が逮捕されて、母も過保護な送り迎えをやめてくれた頃、幼稚園の近くの公園で同じ組の子のお母さんたちが話してるのを。

    「変質者、捕まって良かったわ〜!うちの子、ぼんやりしてるから気が気じゃなくて…」

    「この街は治安が良いって言うから引っ越してきたのに、どこにでもおかしな人っているのね…」

    「でも、最初の被害者になった高嶺さんとこのツボミちゃん、あの子くらい特別に可愛いと、トチ狂っちゃうってのもあるのかもね」

    「ああ〜そうね。あの子、本当に可愛いもの。変質者じゃなくても悪い気持ちが起きちゃうってのも、あるわよね」

    「あの子、あんなに可愛いとこの先も苦労するでしょうね」

    「それもそうだけど、正直、ああいう子がそばにいると危ない人を寄せ付けるみたいで怖いわ。変質者って狙ってた子に逃げられて、近くに居た別の子を代わりにするとか聞くし」

    「そうね、可愛すぎるってのも、問題よね」


     は?なにそれ。

     私はその公園からそっと離れ、足をがむしゃらに動かしてデタラメに歩いた。家に帰りたくもない。誰にも会いたくない。そうは言っても子供の足、うつむきながらひたすら歩いた先は近所のスーパーで、このあとどうしようかと逡巡していると、ゲームコーナーに居たモブくんに見つかってしまった。

    「あ!ツボミちゃん!どうしたの?おつかい?」

     天真爛漫な笑顔で私に駆け寄るモブくんを見て、ホッとすると同時に、ものすごく苛立ってしまった。

    「…モブくん、こないだの変な人、捕まったの聞いた?」

    「あ!うん、聞いたよ!良かったね!これでもうツボミちゃんも怖くないし、また神社で遊べるね!」

     …あんな神社、私はもう怖くて行けるわけないのに!
     私はカッとなって、モブくんに怒鳴りつけた。

    「モブくんのバカ!私が連れて行かれそうになったのはモブくんのせいなのに!モブくんが泣き虫だからあんな人の言うこと信じちゃったんだよ!?モブくんのせいなんだから!私は悪くないんだから!」

     モブくんは驚きで目を見開きながらオロオロして私に言う。

    「…え!ツボミちゃんが悪いわけないよ!?なんで?僕がいつもツボミちゃんに心配かけちゃってるから、あのおじさんに騙されちゃったの?そうだったの?だったらゴメン…」

     騙されたって言うな。私が愚かなせいで怖い目に遭ったみたいに言うな。
     その時は、そう伝えることができず、ただモブくんが悪いと責め立てるしかできなかった。

     超能力で助けられたのも腹が立った。私が抵抗できなかった大人の腕力をいとも簡単に退いたことが憎たらしかった。水を宙に浮かべたり鉄棒を揺らしたり、そんなのしか見たことなかったのに、大人を弾き飛ばしたりできるなんて…ズルい。
     そんな強い力があるなら、私みたいに怖がらないのは当たり前じゃん。そうだよ、私があの男を怖くて泣いてしまったのは、私が弱いからじゃない。モブくんは超能力があって強いから怖くないだけだ。


     私に理不尽な八つ当たりをされて呆然としているモブくんをそのままにし、私は家に帰った。ドアの音を聞いて、在宅で仕事をしている母が玄関まで出てきた。

    「おかえりなさいツボミ!すこし遅かったけど、帰り大丈夫だった?変なことや怖いことなかった?」

    「…別に…なんもないよ…」

     恥ずかしいからお迎えはもう止めてと頼んでからも、母はこうやって毎日心配してアレコレ聞いてくる。それもすごくイヤだった。また同じような目に遭うほど愚かだと思われてるみたいで屈辱だった。

    「…怖いことあっても、それ私のせいじゃないもん!私のこと可愛く産んだママのせいじゃん!私が可愛いから変な人が寄ってくるんだって言われた!私のせいで怖い人が街に来るんだって!だったら私、可愛くなんてなくて良かったのに…!」

     私は叫ぶように泣きながら母を責めた。

     わかってる。
     モブくんが泣き虫だから怖いことが起きたんじゃない。
     ママが私を可愛く産んでくれたから怖いことが起きたわけでもない。
     でも私のせいでもない。きっとそのはずだ。

     母は泣きじゃくる私をギュッと抱きしめて、可愛いことは悪いことじゃない、自分の個性を否定してはダメだと教えてくれた。

    「それがどんなにあなたを苦しめたとしても、それもあなたの大事な一部分なんだから…」

     母は私に、そう言ってくれたのだった。


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    masu_oekaki8810

    DONEためしていいとも!
    に合わせてなにか秋らしい師弟でも…と書きなぐった短いお話です。

    いちゃこらのつもりで書いてたのに読み返したらカプ色薄すぎて、師弟カプ有り区をもらったのに、どういうつもりだ、貴様。すいません。

    ※左右非固定
    ※年齢操作(高校生になったばかりモブくん)
    栗まんじゅう食べてけよ「何か困ったこととかないですか?」
     と弟子からの一言だけのメール。
    「別になんも問題ない。大丈夫だ。気にかけてくれてありがとうな」
     そう返信して終わる、最近のやりとり。
     受験も終わり、高校生活にも慣れた頃かと思うのに、モブは最近つれないというか、素っ気ない。こないだも久しぶりに相談所に顔出したと思ったら、
    「お久しぶりです。……困ってることとか、別になさそうですね」
     と言ったきり、ペコッと会釈してさっさと帰っちまった。
     それからはメールすらろくに来なくなり、もう1ヶ月近く経つ。
     押しかけ秘書のトメちゃんは呼んでなくても勝手に来てはオヤツ食べてぬるい茶を淹れて、芹沢やエクボとワチャワチャしたのちに時給300円×3時間を会計用の金庫ボックスから毟り取ってくというのに……まあいいけど。最近は暇そうな時に掃除とかもしてくれてるし。
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    masu_oekaki8810

    DONE竹中くんが師弟の仲を取り持つ?話。

    二、三日前に寝る前に眠い頭で妄想してた話をメモ書き的に書いてたみたいなんだけど、すでに内容をほぼ忘れてて自分の記憶の儚さに恐怖。
    とりあえず最後まで書いてみた。
    本当は四コマ漫画とかにするつもりだったはず。
    推敲足りてないけどボツにしないうちに投下! ヤァ!
    交換日記しよ「師匠、好きです」
    「俺もお前のこと好きだよ」
    「じゃあ両想いですね」
    「そうだな、嬉しいよ」
    「恋人ってことでいいですか」
    「モブ、未成年と成人は恋人になれない。条例で決まってるし、一般通念上の倫理観においても許されない。何度も言わせるな」

    -----

    「…というやりとりをこの3ヶ月ずっとしているんだけど、師匠は僕をあしらってるだけなのかな。師匠は本当に僕のこと好きなのか、せめてそれだけでも知りたいんだ」

    竹中桃蔵は、久しぶりに呼び出してきた中学の同級生から、聞きたくもないトンチキな恋バナをされてとても後悔した。

    せめて犬川にも居てもらえば良かった。なんとなくだがあいつが居ると少しは俺の負担が減る気がする、と思ってLINEを送ってみたが「モブはこないだ会ったばっかだし、今日はいいわー。声掛けサンキュー」と見当違いなお礼が返ってきた。ちげえんだよ。俺を助けろって言ってんだよ! いやわかってる、犬川に遠回しな書き方した俺が悪い。あいつは人の顔色はわりとよく見てるし気も回せる男だが、その場に居ないやつの小さなSOSに気づけるほど他人に興味があるわけじゃない。
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    masu_oekaki8810

    DONE君と暮らせたらシリーズ5
    副題、スネオヘアーの「訳も知らないで」とどっちにするか悩んだんですが、ツボミちゃんやシゲオ母がメインの話なので女性アーティストにしてみた。

    同棲師弟の弟子が師匠の気持ちに応えられなくて家出しました。
    そんな弟子には少し痛い目に遭ってもらうか…と。

    あと2回で終わります。


    ※年齢操作
    ※左右曖昧
    ※シゲオ母の過去捏造
    君と暮らせたら(罪と罰) 目覚ましで起きる。見慣れた実家の自室の天井だ。階下に行き、顔を洗い、台所へ行って冷蔵庫を開ける。

    「あれ?牛乳、無い…」

    「あら、ごめんね。最近はほとんど買ってないのよ。アンタも律も居ないと意外と減らなくて」

     母が居間のソファから振り返って声をかける。
     そう、律もすでに家を出ているから、この家は両親二人だけの生活の場になって1年以上経つ。4人暮らし(エクボもよく居たから感覚的には5人弱だけど。)の頃と違って家の中は物が少なくなり家具もいくつか買い替えられていた。ソファも新しい。「子供が居るとどうしても傷みやすいからって、二人が出ていくまでは母さんが買い替えを渋ってたんだよ」と言っていた。
     三人掛けだったソファから、麻布のカバーのかけられた二人掛けの白いソファになってる。
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    masu_oekaki8810

    DONE君と暮らせたらシリーズの2話目。こっちにあげてなかった。

    ツボミちゃんが自分の可愛さを受け入れるまでの話。

    ツボミちゃんもモブくんも幼稚園の設定です。
    (通ってたのは保育園なのかもしれないが…原作にそのへんの描写あったか思い出せず。)

    ※ラブとか両想いとかそういう描写は無いです。
    可愛いままで生きるには 私がまだ幼すぎて何もわかってなかった頃、近所の年上の男の子たちが何故私にキモい虫を見せてきたり髪を引っ張ったりしてイジワルしてくるのか、理由がわからなかった。
     私はそのたびに泣いたり怒ったり逃げたりし、何度もはっきりと「やめて」と言った。
     それなのに、その子達はニタニタと嬉しそうに笑って、私を見かけるたびに嫌がらせをした。

     モブくんは、そんな男の子たちとは違った。いつも優しくて笑顔で、私を楽しませようと超能力で物を浮かせて見せてくれたり、何をして遊びたいかもちゃんと訊いてくれた。

     ある日、幼稚園の帰りにモブくんと遊ぶ約束をしていた神社に向かうと、境内のそばで知らない大人がウロウロしていた。「知らないおじさんだ。ちょっとヤだな…」と思って、階段を戻ってモブくんを待とうと思った矢先、その男は私を見て
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