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    rubelu_

    @rubelu_

    創作小説・マンガ
    #DR-marionnette
    #星屑が降る

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    rubelu_

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    mol高等学校 ルゥがモデルになっちゃった…!?件

    #Molhi🐥🌳
    #mol🐥🌳

    mol高等学校〜モデル始めました〜mol高等学校の噂
    (〇現時点:2年生の設定
    〇兎畄鈴るぅ 〇森川ともり)



    「あ〜、だっる。勉強なんてクソくらえだわ」

    隣に座る男が顔をしかめて言った。それにしても声がデカイな、と俺はうんざりする。しかもコレがダチって話、彼女が聞いたら呆れるだろうな、とも思う。

    男が八重歯を見せて、低い声でうなる。

    「おい。お前、ディスったな?」

    「別に?それより授業始まるから、早く準備しろよ。次はともりの”大好きな”数学だろ」

    「それはルゥが好きなやつだろーがバカ」

    くだらないやり取りに笑ったあと、先生が教室に入ってきた。数秒後、チャイムがなる。

    カバンが揺れる。そこからスマホを取り出すと通知が1つ入っていた。
    その時は何気なく画面を見つめて、そのまま閉じた。今日も平和で何にもない時間を過ごす…



    ───はず、だったのだが。



    放課後、いつも通りサッカー部の集会に行くと、何故か人混みできていた。
    俺はそれが気になって、先輩に声をかけた。

    「何すか、これ」

    「しーっ!静かに!つーかお前は隠れてろ」

    「はぁ?」

    慌てた様子で俺を壁の外に追い出し、「女子が消えたら来い、いいな」と言って部室に戻った。意味が分からない。

    「…」

    とりあえず集まれそうにないので、先輩に言われた通り、人がいなくなるまで待った。
    しばらくして、扉の奥から先輩が手招きする。

    「もういいぞ」

    部室に入り、席に座る。それから、すでに揃っていた面々に状況の説明を求めた。

    「さっきの、何だったんですか?」

    「ええと、それが……」

    「聞いてないのか?お前、学校中で噂になってるぜ。いいや、学校外…日本で注目されてんだぞ」

    それを聞いて、俺は唖然とした。
    ピロリンと音が鳴り、スマホの通知を見ると、ろくに投稿もしていないモルスタに大量のメッセージが届いていた。

    「うわっ!?」

    「ビックリさせんなよ!…どうした」

    「いや、これモルスタに知らない人から…どういう事ですか?詳しく聞かせてください!」

    先輩はしぶい顔をして、部員と顔を見合せた。




    ともり:side


    昼休みのこと。屋上で寝そべっていると、複数名の女子がオレに話しかけてきた。
    突然のことにドギマギしながら、オレは返事をする。

    すると、彼女達は口を揃えてこう言った。「ルゥくんの友達だよね?」と。

    「え?そうだけど、それがどうかした?」

    「やっぱり本当だったんだ!ねぇ、モルスタのアカウント教えてよ」

    オレはハッとした。ついにモテ期が来たのではないか!?と。浮かれているのを必死に隠しながら、オレはスマホを操作する。

    「へへっ、オレので良ければ…」

    「え?違うけど」

    「…え?」

    「ルゥくんのだけど」

    「……あー、うん。だよね!はいはい、分かってるよ…」

    虚しい気持ちになりながら、暑い日差しに照らされて茹でたこのような顔になった。




    それから帰る時間になって、部活が休みのオレはルゥに連絡したのだが、それがなかなか返ってこない。
    気になって部室を見に行くと、人混みができていた。

    「おいおいおい、んだよこれは!」

    「ともり、キミも来たんだね」

    「はぁ?誰?」

    オレの肩に手を置いて、悲しそうな顔をする男。いや、全然知らないやつだった。怖い。

    「まぁまぁ、普段は教室の隅でひっそり生きてる僕だけど、こんなに騒がしいと行かざるを得ないというか?」

    「ごめん、お前のことはどうでもいいけど、これ、なんなワケ?」

    「ど、どうでもいい…ゴホン、見ての通りだよ。かの有名なルゥさんがいるだろ?」

    「オレの友達だけど、それが?」

    「僕が調べたところ、部活の後輩が『先輩かっこいーから、モデルオーディションに応募しちゃえば色んな人からモテるんじゃね?』ってノリでポチったら…」

    当選結果を見れば「合格」の通知がきていて、単なる遊びのつもりが日本中に先輩の顔が広まったってさ、と彼は言った。

    「…はぁ!?」

    「そりゃあ驚くよな。キミの友達だし」

    「ふざけんなよ!オレより先にモテてどーすんだよ!バカ!」

    「あ、そっち?」

    オレは身を乗り出して扉を蹴り、部室に侵入した。背中から悲鳴が聞こえる。

    「何してくれてんの、このアホ!」

    部員の胸ぐらを掴み、オレは「いくらお前でも許さねーからなぁ!!!」と大きく叫んだ。廊下中に聞こえるほど、その声は響いていた。




    ルゥ:side


    散々な目にあった。

    部活が終わってともりと歩いている時の話だ。靴箱へ向かう途中、階段から大勢の女子(とミーハーな男子)がやってきて俺の手を掴んだ。

    「あの、私、見ました!」

    「な、何を?」

    「某有名モデルサイト。うるべ先輩映ってましたよね?ビックリしました!前からかっこいいなって思ってたけど、凄いですね…」

    「おれも感動しました!どけ、握手させろ」

    「順番でしょうが!」

    だんだん強くなる喧騒と握力に屈して、俺は
    「ともり!助けろ!」と叫んだが、そいつは悲しげに俯いて笑うだけだった。
    グッ、と親指をあげる。グッ、じゃねぇわ!この役立たず!




    そのまま30分くらい握手会をした後、ぐったりしながら下校した。全てはモルスタ…いや、後輩のせいである。あいつらが下手な真似しなければ、こうはならなかった。

    「あー、くそ。疲れた」

    「ご愁傷さま。はぁ、いいなぁ。オレもモテてー」

    「そんな嬉しいもんじゃないぞ。一日中着けられて待ち伏せされて、たまったもんじゃないね」

    「それはモテるやつが言うセリフなの!ったく…それで、オーディション受かったワケだけど、これからどうすんの」

    家の扉の前で立ち止まり、振り返る。しばらく考えて、俺はこう言った。

    「…棄権する」

    「はァ!?マジで言ってる?」

    「あぁ、大マジだ。別になりたくてなったわけじゃない。馬鹿が勝手にやった事だろ、俺には関係ない」

    「冷めてんなぁ…でも、それで通るか?」

    「分からない。けどやる気はない」

    来年は受験だ。モデルの仕事なんてやってる暇はない。俺は親が望む海外の大学で勉強して、ゆくゆくはアートクリエイターになるつもりだ。
    だから、興味のないことに時間を使うほど暇じゃない。

    「そうだ、お前がやったらどうだ?」

    「オレ?」

    「目立つの好きだろ。合ってるんじゃないか」

    「いや、まぁ…でもオレだって歴史研究家になりたいし、そんなすぐにモテなくてもいいかなって」

    「あと、ルゥと遊んだ方が楽しいしな」

    「ふ、同感」

    じゃあまた学校で、と別れを告げてベットに横たわる。目を瞑り、憂鬱な今日を終える。



    ??:side


    彼の名前はすぐに覚えた。まぁ、あんなに有名になったんだから、嫌でも覚えるか。

    スマホをじっと眺めて頬をつく。欠伸をこぼした。

    僕の仕事はマネジメント。モデルやアイドルのサポーターってやつ。高校生になった今、実際に現場につき、勉強しているところだ。
    そこで社長から新しい”スター”を探してほしいと頼まれた。僕はそれをすぐに快諾した。

    だって、そんなの面白いに決まってるから。

    「ルゥさん、ねぇ」

    誰もいなくなった教室で、こう思う。
    ──彼と話してみようか。




    ともり:side



    「いた!おーい!」

    「なぁ、アイツさっきから俺達を呼んでないか」

    「ええ?気の所為だって。ほら、行こうぜ」

    せっかくの休日なので、ルゥとショッピングモールで遊ぶことにした。めいっぱい楽しみたい…のに、変なやつに後をつけられている。普通に怖い。

    「無視?無視しないでよー」

    「やっぱり呼んでる…」

    「あぁもう、ウザイなぁ
    あんた誰?しつこいんですけど」

    「僕?一応、こういう者でしてね…」

    そう言って彼は名刺を差し出した。深く被っている帽子のつばを上げ、にやりと笑う。
    コイツは、確か学校で…

    「お前、ルゥの部室の前にいた変なやつ?」

    「変なやつとは心外だな。七夜ひちしちだよ。ちゃんと名前があるんだから、そっちで呼んで」

    「…変な名前」

    ボソリと呟いたルゥに、突然オモチャの銃を突きつけた。なんかキレてる。

    「ってのは冗談で…キミに用があるんだよ」

    ひちしちという男がルゥを見つめて言った。

    「単刀直入に言うけど、ルゥさん。
    うちでモデルの仕事しない?」

    「……はぁ?」

    「まーたそれかよ。悪いけど、できないね。オーディションの件は断ったし、それに進路もあるからさ、暇じゃないんだよ」

    「それに関しては大丈夫。スキマ時間にできる簡単な内容だからね」

    なんだそれ。釣り広告の売り文句かよ。
    ルゥと顔を見合わせる。

    「胡散臭くない?」

    「うん」

    「ちゃんと聞いてくれないかな!?」

    オレたちはひちしちを無視して、早歩きで逃げた。こんなやつに時間を奪われてたまるか。



    〖①ファッションコーディネート〗


    「こんな派手な服、俺に似合うのか?」

    「まぁ、着てみなよ」

    ともりに背中を叩かれ、試着室に入った。

    蛍光色のライン、大きめの紫パーカー、バケットハット(韓国系でよくみるやつ)にチェーンネックレスにカバンに…厚底ブーツ。
    まさにイケてる男が着るファッションってやつだ。俺とは程遠いイメージの…

    「おー、やっぱ似合うじゃん。オレの判断は正しかったね」

    「それ本当に言ってるのか?絶対お前の方が良いって」

    「いやいや、こういうのはギャップが大事だし、オレが着ても面白くねーから。元から目つき悪いしさ…ヤンキーになるだろ」

    「たしかに」

    「頷くなこらッ」

    ヤンキーともりは置いといて、せっかくおすすめされたので何着か買っていくことにした。
    もちろん、ともりにも着せ替え人形になってもらう。

    「コートにワインレッドのワイシャツ…って、大人っぽくない?むしろ大人すぎね?」

    「普段より落ち着きがあっていいんじゃないか」

    「なんだと…?」

    「冗談。進学する前に、初詣行くだろ。その時に着ようぜ」

    「じゃ、どっちもお揃いで」

    「いや…ペアルックとか恥ずかしくないのか…」

    「全然いいと思いますよ。実際にペアルックコーデをする男性のお客様もいらっしゃいますし、それに、二人ともよーくお似合いですとも!」

    店員さんがおだててくる。ともりは満更でもなさそうだ。

    「じゃあ会計を」

    「はーい、かしこまりました」

    「…え?」

    店員の顔を見る。七夜ひちしちだ。

    「なんでここにもいるんだよ!」

    「バイト先だから」

    「嘘つけ!本職はアイドルプロデュースみたいなやつだろ。勧誘に乗ってたまるか…」

    ともりは店員を睨みながら会計を済ませ、すぐに店を出た。




    〖②楽しめ!水族館!〗


    「なぁ、アイツ。ストーカーだぜ」

    「ああ…怖くなってきたな」

    「今更かよ。ルゥを狙ってんだろ、断ったのにしつこいっつーの。早く回ろうぜ」

    フードコートで生クリーム乗せフルーツジュースを買ってお店を覗く。…すごく甘い。

    シューズショップで新作を見て、雑貨屋で買ったキーホルダーをカバンにつけて、モール内にある水族館に入った。

    「クラゲ綺麗〜」

    「動物園だったらひよこが見れたのにな…」

    「水族館に来て何を言ってんだよ。また今度行けばいーだろ。それより、ほら、でっかいサメ」

    「うおー、すげぇ。強そう」

    「強そうw」

    歩いては立ち止まり、水槽を指さす。それを繰り返し、ペンギンショーの会場にやってきた。大勢の観客で賑わっている。

    「ペンギン!うわ、うわ…可愛い!」

    「ルゥ好きそうだなって思ったけど、はしゃぎすぎ。隣の子供と同じくらいのテンション」

    小さい子供が同時に飛び跳ねる。周りの目が痛い。

    「ゴホン…それで、どんな技が見れるんだろうな」

    「話の逸らし方おもしれー」

    すると、ペンギンが宙を舞って半回転した後、勢いよく水に飛び込んだ。手前にいた俺たちと観客が水浸しになる。
    ともりが 「うわ、冷た!」と大声で叫んでいる。今度は耳が痛い。

    「オリンピックみたいだなぁ。現代のペンギン、まじレベル高い」

    「ふはは、なんだそれ。てかめっちゃ楽しいわ」

    「俺も」

    顔を見合わせて笑う。最近は散々だったけどこいつの隣にいれば元気が出るし、充実した時間を過ごせる。
    また時々、こうやって出かけるのも悪くない。卒業まで馬鹿やれたら…

    (最高だな)

    晴天を仰ぐ。真っ青で眩しくて、暑い。夏の色を雲が運んでくれる。
    俺は目を閉じた。空気を吸って、吐き出す。楽しい一日がゆっくりと、暮れていく。




    バス停で、すっかり焼けた空を眺めていた。

    手元にある写真に目線を落とす。プリクラは一度も撮ったことがなくて、加工された酷い顔を見ると、なんだか気恥しい気持ちになる。

    強い風に吹かれて、バスが目の前で止まる。

    「じゃあ、帰るか」

    「おう〜」

    席に座って、外を見つめながら喋る。カバンの中で静かに鳴ったモルスタの通知には、全然気づかなかった。



    ともり:side



    翌日、またアイツに絡まれた。というか、生徒全員に捕らえられた。

    「ふざけんな、離せ!」

    「まぁまぁ、暴れるなよ。おれたちは華々しくモデルデビューした二人に話が聞きたいだけだって」

    「はぁ!?」

    ピタリと動きを止める。

    「誰と誰が?」

    「お前とルゥ」

    「なんで?」

    「いや、知らないの?逆になんで?」

    絶句した。話が勝手に進められているのだ。しかも本人のいないところで、断りもなく。

    「ちゃんと断っただろ。なんで…こう自己中心的が多いんだよ、皆でグルになるのはやめてくれ」

    「悪役扱いか?まあ、たしかに僕はフラレたね。でも本当に素質があるんだよ、キミら」

    「だからしつこいんだよ!」

    突き放そうとして腕を上げる。が、誰かに腕を掴まれる。振り返ると、髭を生やしたおじさんがいた。

    「君がともりくんだね。話は聞いてるよ」



    ひちしち:side
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