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    とろ_(:3」∠)_

    @torotoro_R18

    ねこティチに沼ってる文字書き兼絵描きです。💙くん(❓くんと)結婚してくれ!
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    とろ_(:3」∠)_

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    古賀くん(人間)×サムくん(獣?)という異色CPになりますゆえご注意ください。妄想強め。
    ほの暗いです。

    僕の恋人はぬいぐるみ やあ。僕の名前は古賀恵介だよ。
     こっちはうさぎのぬいぐるみのサムくん。とっても大きくて、ふもふもで、可愛いでしょう。夜、抱っこして寝ると、よく眠れるんだ。
     ……大人の男なのに、ぬいぐるみなんて変だって? はは、そうかもしれないね。昔からよく言われるよ。なよなよして、女みたいだって。それで虐められたこともあったなぁ。
     ん、どうしたんだい? ……動いた? ぬいぐるみって……サムくんが?
     あはは、やだなぁ。やめてよ、そんな訳ないじゃないか。サムくんはぬいぐるみだよ?
     ……やっぱり動いてるって? ……そっか。君には、見えるんだね。
     うん、そうだよ。実は、サムくんは生きてるんだ。ぬいぐるみだけど、ちゃんと息をしているんだ。
     そして――サムくんは、僕の弟で、恋人なんだよ。

    「……けーすけくん」
     夜。ベッドでサムくんを抱いて寝ていると、囁くような声が聞こえてくる。可愛らしい、幼い子供の声。サムくんだ。
     腕の力を緩めて、サムくんの顔を覗き込みながら、「なあに」と応える。すると、サムくんは困ったように眉を下げて、
    「ちょっと、くるしいよ……」
    「あ……痛かったかい? ごめんよ」
     サムくんがあんまりふもふもだから、つい、ぎゅうっと抱き締めてしまったみたいだ。慌てて腕の力を抜き、今度は優しく抱き寄せようとして、ふと思う。今は気をつけていても、眠ってしまったら、無意識に力を込めてしまうかもしれない。そうしたら、サムくんは苦しいまま、朝まで過ごすことになる。
    「…………」
     寂しいけれど――サムくんを少し離れた場所に寝かせて、再び布団に潜る。近くにいると、どうしても手を伸ばしてしまいそうだから。
     サムくんに背を向けて、物足りなさを我慢しつつ目を閉じる。……と、もぞもぞと布団が動く感覚がして――ふもっと、背中に柔らかい感触。
    「けーすけくん……どうして、離れるの?」
     泣きそうな声に目を見開く。背中の方で、ぐすっ、と鼻をすする音がして、
    「……ボクのこと、嫌いになったの……?」
    「……っ」
     堪らなくなって、素早く身体を反転させ、サムくんをぎゅっと腕の中に閉じ込める。
    「そんな訳ないよ……っ! ただ、君を抱き潰してしまうのが怖くて――」
     はっとして力を抜く。怖いと言っておきながら、つい、腕に力を込めてしまっていた。
    「あ……ご、ごめんね、サムくん……大丈夫かい?」
     慌てて様子をうかがうと、サムくんはきょとんとした顔で僕を見つめて――それから、ふわりと。花びらがゆっくり開くように微笑んで、
    「……よかった。ボク、嫌われた訳じゃないんだね」
     ぽろりと涙を零し、ぎゅっと僕に抱きついてくる。
    「大丈夫だよ、けーすけくん。ボクはぬいぐるみだから、どんなにぎゅーっとしても、死なないもん」
    「サムくん……」
    「……ボクはどこにもいかないよ。ずっとずっと、キミと一緒にいるからね」
    「……っ、うん……っ」
     胸がふるえる。うれしいのに、なんだか妙に切なくて。込み上げる涙を、サムくんのがうつったんだと誤魔化した。だって、大の大人が泣くなんて、みっともないから。
     腕の中には、あたたかい命がある。僕だけの、ちいさないのち。ずっとずっと、一緒だよ。


    「……兄さんったら。また枕を抱き締めて寝てるのね」
     子供のように眠る兄の姿に、鈴音は切なげに目を伏せる。
     どうやら最近は、この枕が彼の心の支えらしかった。少し大きめの、何の変哲もないただの枕だが――きっと兄の目には、なにか違うものに映っているのだろう。
    「でも……すごく、穏やかな顔……」
     たとえ幻でも。兄の助けになってくれるのならば、今はそれでいい。
     物言わぬ無機物と寄り添うように眠る兄に、そっと布団をかけ直してやる。「おやすみ、兄さん」と一声かけて、鈴音は部屋を後にした。
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