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    あずき

    @torori_pudding

    寸努呼一族(俺屍の自一族)と某携帯獣(擬人化あり)中心。センシティブなものもあります。

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    あずき

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    全っ然書き終わらないから、もう今書いてるとこ全部見て見てしちゃうのだ~~~😭😭😭

    ムギーズブートキャンプへようこそ~Welcome to Mugi's Boot Camp「太郎丸様、月寒お涼様から新しいご家族を預かって参りました!!」
    イツ花が連れてきたのは、みくりの息子。青々とした緑の葉の色をした髪に、鮮烈な印象を残すライトグリーンの瞳。何処で作ってきたのやら、鼻の上の傷が白い肌に対して目立っている。
    「はじめまして!えーっと、よろしくおねがいします!!」
    良かった。どうやらしっかり喋れるようだ。要は自身の師匠であるみくりが来訪した当初喋れなかった─人間の赤子と同じように、「あー」だの「うー」だのとしか喋れなかった─ことを聞いていたので、その子供ももしやと思っていたが、それは杞憂に終わった。
    「屋根や木に上るのがお好きなようですが、庭の木に上った際に、どうやら転んでしまったようで…」
    少し呆れた笑顔でイツ花が言った。なるほど、ならば泉源氏で治してやらねば。そう思い、要は念を込めてはるくの傷に手をかざしたが、
    「あのね!これ、『おとこのくんしょー』なんだって!おじさんが かっこいいって ゆってた!いいでしょ~!!」
    どうやら本人はこの傷を気に入っているようだ。それはともかく、名前と職業を決めねば。名前は先月の時点で皆で決めていた。寒い寒い冬を越えて、「春」がやって「来」たことを祝って。
    「きみの おなまえはねぇ、『はるく』だよぉ」
    「『はるく』…『はるく』!かっこいい!やったぁ~!!」
    はるくと名付けられた幼子は、何度も飛び跳ねて全身で喜びを表した。名付けが済んだら、次は職業を決めることになる。職業は、一度就いたら変えることはできない。普通の人間なら、長い訓練期間を経て、異なる武器を扱うことができるようになるかもしれない。しかし、短命の呪いをかけられた寸努呼一族には、そのような時間は残されていない。子供の技や体を見て、本人への確認を念入りに行い、職業は決まる。パッと見ただけでも、はるくは幼いながらに体格に恵まれていることがわかる。成長したら、上級の鬼の攻撃も受け止めることができる寸努呼の要塞として活躍できるかもしれない。大きな得物を扱える筋力もありそうなので、剣士と壊し屋が有力候補となるだろう。懸念すべき点は、技の火が低いということだ。壊し屋は大槌を扱うのに膨大な力が必要になる。そのため、壊し屋以外が術に使うエネルギーは、壊し屋の場合体にまわされる。そのため、他の職業と比べて技が伸びにくいそうだ。技の値は、術の防御力に直結する。もしはるくが強力な火の術を喰らったとしたら、大ダメージを負うどころか、最悪の場合命を落とすかもしれない。ここは剣士にすべきかと要が悩んでいたその瞬間、
    「これ!かっこいい!!はるく、これにする!!」
    参考として、今手元に指南書がある職業の姿絵を見せていたのだが、はるくはその中から壊し屋を選んだ。大槌を振り下ろさんとする巨漢の姿絵だった。ここは本人の選択を尊重すべきだろう。晴れてはるくは壊し屋となった。


    来訪したばかりの子供をいきなり戦場に出すのは危険だ。このため、一族には2ヶ月間の訓練期間がある。寸努呼一族では、親子の時間を作る目的で、親からの訓練と、多種多様な戦法やものの見方、考え方を学ぶ目的で、親ではない年長者の訓練が義務付けられている。(例外として、2ヶ月間親の訓練を受けた一族や、1ヶ月間自習となった一族も過去にはいたが)
    今回はどうしてもみくりが出陣しなければならないとのことなので、訓練を担当するのは麦乃介となった。今月は麦乃介の娘である姫乃の初陣であり、麦乃介も見守りたいと思っていたことだろう。心苦しいが、これも一族のためだ。

    出陣する前に、要は麦乃介とはるくを会わせた。
    「こちらが自分の師範である麦乃介さんです。姫乃の父でもあるんですよ。」
    要に案内された先ではるくが出会ったのは、狐のように細い目と黄金色の髪が特徴的な男、麦乃介だった。
    「お、あんたがはるくって言うんか?僕は麦乃介や。今月の訓練担当するから、よろしゅうな。」
    「はい!むぎのすけさん!よろしくおねがいします!!」
    「あ~、長いから麦だけでええよ。」
    「じゃあ、むぎさん!よろしくおねがいします!!」
    こうして、麦乃介とはるくの1ヶ月間の訓練が始まった。この時、はるくは訓練が正に地獄と呼べるものだとは露知らずにいた。
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