朝日の中で眠れ① 遠征から帰った足でパーシヴァルの部屋を訪ねてきた男は、酷い顔をしていた。
明らかに寝不足なのだろう、顔色は悪く目の下には濃い隈ができている。
「……どうした」
グランサイファーにある自室、その窓際で読書をしていたパーシヴァルが思わず駆け寄るほどには、ジークフリートの顔色は最悪だった。
乾いた唇を抉じ開けるようにして、ジークフリートはやっと声を絞り出す。
「……呪いを、受けてな……」
「呪いだと? 何故、解呪しない?」
「……厄介な……呪いでな……眠ると死ぬらしい」
「何だと!?」
うつら、と目蓋を下ろしかけ、ジークフリートは気力で頭を振る。パーシヴァルがゆらゆらと揺れているジークフリートの体を抱き止めるようにすると、初めて聞くような懇願の声音が届いた。
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