🐟にジェラる萩原「ただいま〜!」
今日は友人と出掛けていたんだっけと楽しそうに帰ってきた彼女を見て思い出す。おかえりと読んでいた本を置いて抱きしめると、心なしかいつもと違う甘い香りがした。
「今日は友達と出掛けてたんだよね?」
「うん!エステ体験のチケットが当たったから一緒に行ってきたの」
「へぇ、どんなことしてきたの?」
今日の出来事を楽しそうに話す彼女に相槌を打ちながら聞いていると、そういえばねと一際楽しそうな顔をする。
「ドクターフィッシュっていうのがあってお魚が古い角質とか食べてくれるの。最初はくすぐったかったけどぬるめの温泉みたいにあったかいし、だんだんくすぐったいのも気持ち良くなってきたんだよね」
お魚も可愛かったな〜なんて呑気に話す彼女に思わず心の中で待ったをかける。待って、俺じゃなく魚に気持ち良くされたの…?
口には出さないが、なんだかもやもやしてしまい、そうであってくれと願いながら彼女に問いかける。
「ねぇ、それって手とか足だけだよね…?」
「ん?全身だよ」
それがどうかしたのかときょとんとした表情を浮かべる彼女の肩を思わず掴むと、自分でも思っていなかったほど真剣な声が出た。
「君のこと気持ちよくするのは俺だけにしてよ」
冗談と取るにはあまりにも真剣すぎたのか、彼女の頬が真っ赤に染まった。魚なんかよりも気持ち良くさせてあげるし、君に触れるのも俺だけにしてよ、なんて我儘君は許してくれる?