イングリッド紅花章スカウト ソロエンド後 10年後~ 「私は選択した。けれども時折惑う。」登場人物
イングリッド
領民
ドロテア(良い人候補はいる)
先生(ベレス)
時間軸
赤ルート後 10年後~
導入
青の学級でいた女友達(そして赤学級にスカウトされている)アネットとメルセデスとの馴染めない化粧、ドロテアとは協力してもらったが身なりを磨く選択肢が無いと言って立場からの馴染めないものを感じる学生時代のイングリッド。
そして赤ルート終了後の五年後のイングリッドが手紙を書きながら回想に入る。
(このイングリッドはソロエンドを迎えている。)
回想内容
見送った幼馴染・・・友たちとは違う人生。先生の面影。
そのなかで一人領民を守る領主そしてペガサスナイト(上級職もある)の能力で領を守る騎士団を作成し一番の夢では無いが戦友たちの望みとは異なるイングリッド自身の望み「守りたい思ったものを守る」事に悩みを感じつつも間違いではないと思いなおす。
一方同時間のドロテア。
彼女も歌劇団の台本を制作しながらイングリッドから送られた指輪を見て思い出す。
ガラテア領で領地を案じる友、別れ際の嘆願から今どうしているのか。歌劇団員の少女が催促や遊びにきつつドロテアの愛する人の声も聞こえる。
指輪を指に付け執筆をつづけるドロテア。グリッドちゃんの幸福を願うとペンを勧める。指輪の石が光る。先生からの手紙を手にする。
愛する人の声が聞こえる。あなたも幸福でと心の中で祈る。
時間は流れて・・・
ベレスがイングリットの元に訪れる。用事のついでだとベレスは話す。
ベレスからどうも何かの血の匂いがするがそこには触れないイングリッド。
品種改良の野菜の話やお互いの近況を語り合う二人。
イングリッドはベレスと話しながらも領主としてすれ違う領民に挨拶をする。
ある領民の少女がイングリッドに尋ねる
「私は騎士になれないんだって、お金も無いし上のお勉強もさせてあげられないっておばあちゃんやおじいちゃんが言うの。イングリッド様、本当に方法は無いの?」
「お家の方は今の皇帝がしている事をご存じ無いのね。ガルグ=マグが再編されて学校になるそうだと聞いているから、私が推薦しましょう。そのために今のお勉強を頑張ろうね」「はーい!」
ベレスが歌劇の話をイングリッドに話す。
それはイングリッドを元にした食べる事が好きな騎士の奮闘についての歌劇の演目の話で合った。
「獣」と勇猛果敢に戦った騎士はその後故郷の痩せた土地の開墾に成功する筋書だと話すベレス。複雑な顔のイングリッド。「そうなると私も嬉しい」
ベレス「ドロテアは勝手に歌劇の題材にして申し訳ないと言っていたよ。」
「そうですか・・・」考え込むイングリッド。どこからともなく風が吹いてくる。
イングリッドが尋ねる。
「先生、私は正しいと思い10年前、先生と皇帝に着きました。今もそれは変わっていません。しかし・・・他に道は無かったのかと夢想せずには居られない時があるのです。起こってしまった事に変えようなど無く、今の日々に不満が多い訳ではありません。最近ではこの土地の土壌や作物にも帝国の技術のおかげで良い変化がみられるようになってきても居ます。・・・・殿下の事思い出が遠くなりつつあっても時折子供の頃の事やグレンの事・・・殿下のあの瞳を思い出すのです。違う道を選んでいたなら何か掴めなかったものに近づけるのでは無いかと。そのような未来は無いのにも拘らずです。
無駄な事だとお思いになるでしょう。女神様ですらお笑いになるでしょうね。昔ほど食べられなくなったからでしょうか、臆病風に吹かれているのかもしれません。」
ベレス、神妙な顔で
「私も私が正しいと思ってここに居て、皆を導いたと思ってきた。その思いに変わりは無い。ただ・・・他の道を考える事は私にもある。」ベレス脳裏に戦った他学級の級長たちの姿、父の顔、元教会の面々等を思い出す。
ベレス、顔と視線をイングリッドに向ける。
「女神は寛大だ。笑う事は無いだろう・・・私ももう教師では無い。もう導く事は出来ないが共に悩む事は出来る。またこちらに寄ろう。」
ベレス、イングリッドに手を差し出す。イングリッドと握手をする。
イングリッド、小さく笑って「先生は私にとって今も先生です。取り留めもない話を聞いてくださって有難うございます。また悩みを聞いてくださるなんて昔を思い出しますね。」
ベレス「そうか・・・私もなんだか懐かしい。
さてそろそろ行かなくては、任務できていてね、部下たちと待ち合わせがそろそろだ。」
日が暮れてきた夕方、近くは無い木々の隙間から暗い装束の人影が数人
ベレスの後ろから見える。
イングリッドは不吉なものを感じつつ、
「今日はお会いできて嬉しかったです。ドロテアにも構わないと機会があれば伝えて下さい。先生、またこちらにいらして下さいね。」
ベレス「もちろん。ドロテアにも伝えておこう。・・・また会おう。」
闇に消えるベレス。
反対方向明るい方角へ帰るイングリッド。
場面転換 ベレス視点へ
ベレスは夕暮れ時の暗闇で黒の集団を部下と共に捕縛する。
なにか時代を先取りした技術を使った工事(発電所?時代を飛ばした技術を使う気がするので何かの工場)を眺めて
部下にあれはなんだと質問
部下 景色を指さしながら○○が出来る工事、仕事も出来て良い変化だと言う。(都会の人の意見なので地元民の感想では無い)
ベレスは伐採された木々や周りのえぐれている土を見て「随分と景色が変わるものだ」
レアの死、自身の立場が変わってきた事、イングリッドの言葉も思い出す。
暗闇を歩くベレスの独白
「私はエーデルガルドと共に歩む道を選択した。後悔は無い。
ただなんとも言えない今の急な変化に心細くもなる。よく導く等とかつて言えたものだ・・・」
帝都に戻るためのドラゴンたちを待たせていた拠点にベレスがたどり着く。
部下「先生のドラゴンはこちらです。」
「有難う。君まで先生と呼ばなくても良い。」
「申し訳ありません。宰相殿も先生と言われておりつい・・・」
ベレスは苦笑しながらドラゴンに乗り込む。
「べレスと呼んで欲しい。教師では無いから。お勤めご苦労。帝都に向かうぞ。」
他の部下たち
「はっ」
ベレス独白
「共に悩む事しか出来ない。これは救いになるのだろうか?」
薄暗闇の中 出発する。
イングリッド、夜中、書斎で仕事の手を止め、ベレスとの会話を思い出す。
「共に悩むことは出来る・・・か・・・またいらしてくださいね 先生。」
仕事に戻るイングリッド。
終わり