保健室でゴウがゆっくりと俺に乗る。
保健室のベッドは自室のそれよりも硬くて狭い。俺の不満に反応するように、キシリと金属製の骨組みが二人分の重量に文句をつけた。
「ゴウ、ちゃんと乗って」
俺の腰を挟むようにしたゴウの太ももは温かいけれど、全然重さが伝わらない。膝で体重を支えてるんだ。そう思って促すと、ゴウもまた文句を言う。
「だって!…お、重いだろ」
そんな細身で体重を気にする必要なんてないのに。
「大丈夫。重くないし、柔らかくて気持ちいいから」
まだ決心がつきかねるゴウにそう言うと、バカだろと呟きながらもゆっくりと重みと温もりが伝わってきた。
「こう?」
ゴウの手のひらが俺に触れて、少しだけ力がこもる。
「うん、そう。もう少し下から、ゆっくりやって」
「…こーいうの、初めてだから。…下手くそだったら、ごめん」
どこか自信なげなゴウの声がかわいい。可愛さを堪能していたいのに、ゴウの手のひらが気持ちよくて集中できない。もどかしい。
「ん」
温かな手に下から上へとなでられて、気持ちよさにため息に似た息が漏れた。ゴウが、その動きを繰り返す。
わからないなりに俺の反応に合わせてるんだ。気づいたら心臓が跳ねた。ちょっと待って。めっちゃ可愛いんだけど!?
「どう、かな…気持ちいい?」
「ん、気持ちい。もう少し、力入れられる?」
優しすぎて物足りなくなってきた。
「ん。こう?」
ゴウの遠慮がちな手に力がこもった。手の動きに集中しているせいか、ゴウの体重がおれに完全に預けられる。
柔らかい。
「硬いの、わかる?」
「うん…こことか…」
「ぅあ、きもちい…」
ここまでー。腰から背中にかけてのマッサージでしたー。
誤解を生むように、生むように書いたつもりですけど、どうでしょう。