Sweetie 目が覚めると、海を越えた遠い地に住む恋人からの画像付きのメッセージが届いていた。まだベッドでゆっくりしていてもいいだろうと、仰向けのまま携帯端末を確認すると画面にはこんな文面が。
『ポッキーの日って知ってる?明日のおやつはこれにしようかな』
添えられていたのは、来日した際にスーパーで買っていたポッキーの小袋。アメリカでも売っている通常サイズのものとは異なり、やや短めながら少し太めのショコラビスキュイに果肉入りの苺チョコレートをたっぷりまとわせたその菓子のパッケージにアルバーンが目を輝かせていたのを覚えている。可愛かったな、頑張った時のご褒美にしようかなって嬉しそうにしちゃって。
けれど、そこまで思い出して記憶に残った姿だけでは物足りなさを感じてしまう。目の前にいたなら感情のままに抱きしめられるのに。勿論、それが無理なことは分かっている。そして、そうと分かっていてもそれが出来ないこの現実が恨めしい。
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