キンモクセイと金木犀海賊王という座に君臨し、世界中を旅してから幾分過ぎただろうか。
ここ2、3年は四季に賑わうこの島でルフィは恋人であるローと思いのまま過ごしている。
夏の暑さは身を潜め、冬に向かい身支度をする秋の冷えた風が島には吹いていた。
基本他のクルー達は思い思いに過ごし、ごく稀に両船の数人が遊びに来て他愛もない話をする日もあった。
この日は女性陣が遊びに来ていた。
ローとルフィの為にフランキーが建ててくれた寝室と水周り、キッチンのみある海沿いの小さな家のバルコニーでロビンが一人読書をしている所にルフィが近づき胡座を描き隣に座る。
何か言いたそうだが口をへの字にして首をぐりんぐりん傾げながら、性に合わず悩み続ける船長に思わずロビンが古書から顔を上げ一声掛けた。
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