ライスカリィ一息付きたいと思う自分の元へとコーヒーが注がれたカップが置かれた。
「休憩しましょう。先輩の分、ここに置いときます」
品川くんだ。彼は新木場さんの元へコーヒーを運ぶ。
「ありがとう、品川君」と新木場さんが穏やかに礼を言った。
暖かな日が差し込む柔らかな午後の時間帯だ。
優しい時間を切り裂く様に、けたたましく電話が鳴る。
「大崎さん!!大変、大変、大変なんです!!」
「汐留さん!?どうされたんですか?!」
思わず声をあげてしまった。
職場にまで電話をかけてくるほど大変な事とは?
どうしよう、どうしよう、と汐留さんの切羽詰まった声が聞こえる。
汐留さんに一体何があったんだ。背中に冷たいものが走る。
「汐留さん、落ち着いて話して━━……」
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