00:出会い国の西側。王政都市、ロピアンの一角。綺麗な水の都、石造りの路地を通る。久しぶりに外へと出た気がして、ふと空を見上げた。綺麗なこの都市はアリーという名前の王女が仕切る地域で人と人ならざる者が多種多様に生きている。例えば街外れの教会には神を名乗る褐色肌の神父や赤い髪を持つ騎士様に天使の名を持つ修道士が。街中に入れば時の猟犬を従えるギャングスタに、何やら人の気配のしないマフィアのボス。噂によれば女王アリー様の主食はニンゲンで彼女自体がモンスターの類の可能性があるとか。言ってしまえばファンタジーの詰め合わせのような都市なのだ。
「よぉ、デメトリオ。仕事かい?」
「あぁ依頼が入ってね」
「久しぶりの仕事じゃないか?よかったよ、お前が元気なら安心だ。」
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