『茅場町駅』2017.10.17「どうしたの?東西」
元気ないね、なんて。
大変なのは同じはずなのに。
それでも、この歳になっても、こうして気にしてくれるのが嬉しい。
「日比谷…」
「なぁに?東西」
穏やかな笑顔に甘えたくなる。
ー日比谷兄さん
なんて。
「変わってねぇよな、お前」
世話焼きで、優しくて、とても気が利いて、お兄ちゃん。東西の、憧れのお兄ちゃんだ。
親のような銀座や丸ノ内よりも近しい兄みたいな日比谷。今でもこうして気にしてくれる。半蔵門に手を焼いているのに。
「そうでもないよ。東西は、兄貴って感じになったけど」
南北がいるからかな?
なんて笑顔で言われて、嬉しくなる。
「俺、ちゃんと出来てるか?南北、言うこと聞かねぇし…」
「出来てるよ。南北も、東西には懐いてるし」
「そうか…?」
そんなわけない、って思っても、
「そうだよ」
って日比谷に言ってもらえるだけで、東西は、まだ頑張れるのだ。