無題…っ」
目を開けたそこは、見た事ない場所だった。はて、自分は先程エルドラントでローレライを解放した、はずだった。
「ここは…」
部屋、だろうがイマイチ馴染みがない。ベッドから身体を半分起こした。
「あ、そうか夢に違いないな、なーんだ夢か!」
ルークはベッドから降りる。敷いているラグのフワフワ感が足に広がる。夢の割には妙にリアルだ。
「夢の割にはリアルだなぁ」
─────コンコン
「はーい?」
「貴様何時まで寝てやがる」
「アッ、アアアアアアッシュ」
衝撃が走った。アッシュはエルドラントで死んだはず。何故だろうか。
「あ、そうか忘れてたこれ夢だもんな、アッシュが居たって可笑しくはない事だよな~」
「何だヘラヘラしやがって…」
机の上に置いてあった日記帳の角で叩かれた。
「いっでぇ!何すんだアッシュ殺す気かー!」
「フンッ…休日だろうが昼まで寝てるヤツがあるか!」
バンッっと大きな音でドアが締まる。ルークは叩かれた場所を抑え痛みにのたうち回った。
「クソ…ハゲッシュめ……あれ?」
ここで、究極の疑問が脳裏を過ぎる。
「何で夢なのに…痛い?」
叩かれた場所は、出血こそなかったが、くっきり赤みを帯びていた。
「……夢じゃ、ない?」
いよいよ自分の頬を抓った。爪もたててやった。
「いった……夢じゃないんだ。現実なんだ…」
窓を開け放つ。
ここは高台なのか、少し目線を向ければ街を一望出来た。
「何だよ、これ……」