繰り返す二人の話その本丸は遡行軍による襲撃を受けていた。
屋敷の玄関付近。外界へ繋がる転移門を兼ねた〈表門〉までの道に遡行軍がひしめく。
傷だらけの姿で亀甲貞宗は後ろ手に審神者を庇い、それと対峙していた。
(数が多い。ここを切り抜けご主人様を逃がすために門まで辿り着けるか?守りながら戦うには――)
「邪魔にならないよう、すみっこにいるね…」
亀甲が思案しているうちに、審神者はそそくさと後方、屋敷の壁に身を寄せ縮こまる。
「…そうしてくれると助かるよ」
とにかく後ろに敵を流さなければいい。亀甲は柄を握り直して遡行軍の群れに踏み込んだ。
恐ろしいながらも審神者はその様子をうかがう。
亀甲が、敵を自分に近づけまいと刀を振るう。身を翻して足を払う。突く。遡行軍の唸り声が聞こえるけれど、遠い。
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