ピンクとブルー 『ピンクとブルー』
時刻は昼を10分過ぎたところだ。ESビルのラウンジでニキと燐音は事務所のスタッフを待っていた。ニキは燐音に付き合っているだけで、そのスタッフと約束はない。書類を受け取るだけだというので、渋々の体を装い燐音に付いてきた。そのスタッフが出るついでに下まで持ってきてくれるという。けれどかれこれ10分ほど待っているので、直接事務所に赴いた方が早かったのではと思っている。
お腹が空いたし、こんな小ちゃな飴を転がすんじゃ物足りない。早くご飯で口もお腹もいっぱいにしたい。
長い足を持て余してでもいるような姿勢で、燐音はソファに深く沈んでいる。見た感じは一言、態度が悪い。それに尽きる。ここは沢山の業界関係者が出入りしているのに、気にならないのだろうか。Crazy:Bに今さら落ちて困るような評判もないのだが、イメージアップは大事なのではとニキは思ったが賢明にも口にはしなかった。
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