冬の🐼ヴァの妄想夏にこれだけカウラヴァが盛り上がってるので、冬にパーンダヴァが来るのでは?という妄想イベント
クリスマス……今年は誰がサンタさんになるのかなあ、と思っていたらインド周辺に微小特異点が発生、マハバ関係鯖にレイシフト適性が出てみんなでインドへ。
そこには、チェイテピラミッド姫路城が聳え立っていたーー。
「なんじゃこりゃー!!」
叫ぶドゥリーヨダナ。流石に唖然とするビーマ。
「フッ……懐かしいな」
「ハロウィーンでさえないのに、まったく……」
「特盛のパフェのようで嫌いではない」
古参のカルナとジュナは流石に余裕があり、トンチキイベントの気配を感じ取っていた。
「まったく、こんな馬鹿げたことをするのは一体どこの……」
「私だよ、アルジュナ」
突然声をかけられ、全員がチェイテピ略城を見上げる。おかしな建造物の中間あたりに、見知った顔が立っている。赤い服を着ている。赤い帽子に、白い髭もつけている。
「ユディあにい……!!」
「ユディ兄ちゃん、まさか兄ちゃんがこんなことを……??」
「そうだよ!ここはインドラプラスタ……チェイテピラミッド姫路城onインドラプラスタだ!!」
まさか誇り高きパーンダヴァ五王子が長兄、聖王ユディシュティラがトンチキイベントで⭐︎4配布されるなんて……!!
「いやいや、このお坊ちゃん、生前から結構アレなところあったろうが。弟と妻を賭けの質種にしたのもアレだが、それが原因で12年の放浪の後、最後の一年に身分を隠すために選んだ職がよりにもよって賭博師だと聞いた時は流石に耳を疑ったわ」
「お前だけには言われたくねぇ。どのツラ下げて言ってんだ、殺、ふ、ぐ」
殺すぞ、と口に出したはずだった。
それが、唇が縫い付けられるように閉じてしまう。
「駄目だよビーマ、ここはハッピー仲良し特異点なんだから。みんな仲良く、きよしこの夜!」
アシュヴァッターマンが腕組みをして睥睨し、相手の目的を問う。
ユディシュティラはにこりと笑った。
「ちょっとしたツテで聖杯を手に入れてね。最初に僕の望みを伝えておこう。みんなで仲良くすごすことだよ。というわけで、ドゥリーヨダナ、君にはボックス担当をお願いするね」
「はぁぁなーぜわし様がそんなこと」
「君は断れない。何故ならここはインドラプラスタ、そして僕らみんなが揃っている。そう、これは『ラージャスーヤ』だ。だから、ドゥリーヨダナ、君は宝物庫の管理人だよ」
ぐっ、とドゥリーヨダナが詰まる。確かに、抗いがたい“概念”に縛られている。
生前、インドラプラスタにて行われたユディシュティラのラージャスーヤ(皇帝即位式)。その時ドゥリーヨダナは山のように贈られる宝物の管理を任されていた。それはマハーバーラタにも詳らかに記されている。だから、ドゥリーヨダナは、ここでは宝物の管理人なのだ。
ドゥリーヨダナは顔を顰めた。池に落ちたり、クリスタルの壁にぶつかったり、それで馬鹿にされたり、インドラプラスタの宮殿にはまったくいい思い出がない。
「……それで?わざわざもう一度即位式をしてなんとなる。何が望みだ、ユディシュティラ」
「即位するのは僕じゃないよ。……パーンダヴァの本当の長兄、カルナ、あなたの即位式だ」
カルナが目を見開く。
「……オレはサンタだが」
アルジュナがカッと目を剥く。
ビーマが頭を抱える。
ドゥリーヨダナは苦虫を噛み潰し、アシュヴァッターマンは状況を伺ったまま真顔だ。
ユディシュティラばかりが輝くような笑顔で、両腕を広げた。
「さあみんな、パーティー/ラージャスーヤ/クリスマスを始めよう!奇跡を願って良い夜を!」