オレンジまだ日が昇らない暗闇の新横浜。紺色の柔らかいマフラーを巻いて、ロナルドは境内に続く階段を登った。手袋を付け忘れて出てきてしまった。指先に息を吹きかけながら登りきったそこには色違いの白いマフラーをつけた半田が辺りを見廻すように突っ立っている。指先をコートの袖口に潜らせている。彼もまた手袋を忘れたのだろうか。
「半田」
名を呼ぶと彼は振り返り、ぱぁっと顔色を明るくさせていつもの悪戯な表情で駆け寄ってきた。手には緑色の凶器を持って。
「んぉッぺぱおラっpアーーー!!!」
満面の笑みの半田を奇声とともに投げ飛ばした。
「あけましておめでとうございますだぞ馬鹿め!!」
「なんて新年の挨拶だ今年もよろしくお願いします!!」
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