光の人② 翌朝目覚めたベレスは、公務がすべて取りやめになったと知らされて目を丸くした。
「どうして」
「近ごろは体調がすぐれず、昨日はとうとうお倒れになられたんですもの。今日は大事を取ってお休みなさってくださいまし」
テキパキとベレスを診ながら答えたフレンは、安堵したようにふうと息を吐いた。
「猊下はいつも真面目にお仕事なさっていますわ。数日お休みをとられたって、誰も文句は言いませんことよ」
「うーん。それはどうだろう」
実際、教団への不満があるようだという報告書を先日目にしたばかりだ。それらの対処もあるし、政策では行き届かない面など気を配らなければならないことも多々ある。のんびりと無駄にできる時間はないのだ。
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