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    PROGRESS記憶喪失になっちゃったよくあるディミレス。
    ぷらいべったー(2020-04-23)からお引っ越しとちょっと加筆。最初に書いたのが3年前という衝撃:( ´꒳` ):書き終わるのいつになるんだろうね。
    光の人1「ベレスが倒れた……?」
     フォドラの中央ガルグ=マクから、文字通り飛んできた急使が息を切らしてもたらしたその知らせに、ファーガス神聖王国国王ディミトリは愕然とした声を漏らした。
    「はい。何人もの医者に診ていただきましたが、誰もが口をそろえて原因不明と」
    「セテス殿やフレンはなんと言っていた」
    「自然と回復するのを待つしかない、と」
     ディミトリはどさりと椅子に座り込んだ。もう立っていられなかった。
    「そうか――」
     声と息を吐き出す。肺腑が空になるほど息を吐き、背が丸まるに任せてディミトリは腿に肘をつき手で顔を覆った。呼吸すら阻むような重苦しい沈黙が部屋に満ちる。伏せた瞼の裏に浮かぶのは、数節前に最後に目にしたベレスの穏やかな微笑みだ。信仰を預かる大司教の務めを果たすため、ガルグ=マクへと帰っていった人。あと数節と待たずして再びこの王都フェルディアへやってきて、春が来るまでここで過ごすはずだった。凍てつくファーガスの冬を温める、柔らかな光として。
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    PROGRESSかけない(´・ω・`)
    揺り籠の熱③ ベレスはディミトリの胸に触れた。もう片方の手は、腰に回って支えてくれている腕をそっと撫で上げた。たくましい腕がピクリと反応するのがわかる。胸に当てた手のひらには、回る車輪と同じくらい忙しく動き回る心臓の鼓動が伝わってきて、くすりと笑みが漏れた。こんなにも心配げに眉尻を下げて見つめてくるのに、こんなにも動揺している。それが妙におかしかった。
     微笑みながら、ベレスは腰に絡む腕をほどくと、ゆっくりと体を起こした。体と体の間にできた隙間に、車内のぬるんだ空気がひゅるりと入り込む。
     けして冷たくはないが、寂しい。
     体が離れて遠ざかる温もりの代わりにディミトリと視線を絡めたまま、ベレスはそっとディミトリの膝から降りた。ベレスの一挙手一投足を見守るディミトリの視線に心が震える。心とともに喉が震えるのを感じながら、たった今まで横抱きにされてつつましく足を画してくれていたくるぶしまで届く長い長い裾を大きく摘み上げれば、白い素足の太ももまでがあらわになって、ディミトリの目が大きく見開かれるのが分かった。ベレスを支えてくれていた大きな手は、その膝上でぎゅっと拳に握られている。それだけなのに、ディミトリが確かにベレスを意識してくれているのが分かって、なにかに耐えているのが分かって、ぞくぞくと沸き上がる喜びに思わず笑みが漏れる。
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    MOURNING運転中うっかり助手席の人の大事な所に触れちゃってあわあわするディミレスが見たかったのにどうしてこうなった(*´・д・)??

    なおべレスの半身は
    (廿_廿)<万が一のときに慰められるように女教師ものの動画は用意しておいた。うまくいったみたいだからお祝いにあげようと思う。
    などと供述している模様。
    薄膜で獅子の尾を踏む 息を詰め、ブレーキを踏むみこむ。ハンドルがぶれないように握る手に力を込める。足を踏ん張り身構えていたものの体ががくんと前につんのめり、助手席で物が動く気配がした。咄嗟に片手をハンドルから離してそちらに伸ばし――
    「っ!?」
     むぎゅ、と温かくて柔らかいものを掴んでいた。ん?と時が止まる。
    温かい。柔らかい。荷物を、例えばバッグや買い物袋などをよくそこにおいているが、それらが温かいわけも柔らかいわけもない。そもそも今日は買い物に出かけているわけではない。今日は担当する部活動の関係で、部長でもあり担任学級の級長でもある教え子と、………
    「っ! ごめん、つい癖で、わざとじゃないんだ。本当にごめん」
     ようやく状況を理解して、ベレス早口に謝罪を繰り返す。その左手はおろおろと宙をさまよっていて、落ち着きなく車内の空気をかき回している。ディミトリはもろもろのショックから立ち直れず、ベレスに掴まれたところに茫然と視線を落としていた。
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