ガチ恋な先生と最初はそんな気なかったタルの鍾タル「往生堂の鍾離先生は、ファデュイの執行官『公子』と付き合っているらしい」
良くも悪くも名の知れた顔の良い男達の恋愛事情は、ただの噂ですら瞬く間に璃月中に広まった。
渦中の鍾離本人は肯定はせずとも否定もせず、むしろ状況を楽しんでいる節がある。
なんせこの鍾離という男は『公子』タルタリヤのことを恋愛感情で好いていたので。
「やぁ鍾離先生、待たせてしまったかな?」
「いや、さほど待ってはいない。」
まるで恋人同士のような会話に、やはりあの噂は本当だったのだと周りにいた人たちは勝手に納得し、噂はどんどん大きくなっていってしまう。
ついにその噂はタルタリヤの耳にも入るほどに広まり、部下達の困惑の声と堪えきれなかったタルタリヤの笑い声が銀行内に響いたのは言うまでもない。
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