誰が駒鳥をXXしたか(02) エイトが『それ』に気付くのに、どれだけの時間を要しただろうか。
視認したのはすぐだが、状況を呑み込むのはやや遅く。だが、全て合わせても五秒もかからなかっただろう。
ケシー、と。呼んだ相手は、その体勢を変えないままエイトへ視線を向ける。
その肩に乗っているのは黄昏の――否、通称トパと呼ばれている白い毛皮の小動物。
そして……それよりも高い位置。いつもはトパのおやつが隠されているその頭部に乗っているのは、間違いなく小鳥であった。
一瞬おもちゃかと見間違ったが、小刻みに移動する姿はとても作り物には見えず。そもそも、ここは町ではなく森の中。小鳥の一匹や二匹いるのは当然のこと。
それが木の上ならエイトもなにも思わなかっただろう。だが、思わぬ相手の、思わぬ場所に居座る小さな命に驚くなと言うのが無理な話。
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