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    フォドン

    @photonyadon

    天城カイトが好きです。
    女体化あります。
    反応があるととても嬉しい…!

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    フォドン

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    天城カイトアドベントカレンダー
    @9byonpa様作成の推しアドベントカレンダーをお借りしました。
    短編の練習をしていきます。
    カイトといろんな人たちが登場予定。CPはありません。

    #天城カイト
    amagiKite

    天城カイトアドベントカレンダー【カレンダー】
    ・カイト+クリス ・最終回後

    「もう十二月か……」
     
     クリスは研究室の壁に掛けられたカレンダーをめくる。写真が紅葉から雪景色に変わったのを見ながら、彼は時の流れの速さをしみじみと感じていた。

     カイトは表情を変えず、自分の席でコーヒーを啜る。
     
    「十一月三十日の翌日は十二月一日だろう。別に早くも遅くもない」
     
    「……君らしいな」
     
     クリスは苦笑しながらカイトの方を向く。

     彼の知る中で一番気難しい人間はドクター・フェイカーだが、その息子であるカイトも相当難儀な性格をしていた。特にクリスに対しては突っかかるような発言をすることが多く、その場面に居合わせたミハエルをムッとさせることもある。

     しかしそんなカイトの言動に、クリスが気分を害したことはなかった。その言葉の裏にあるのが悪意ではなく、彼に対する信頼であることを――クリスは知っているのである。
     
    「君のそういうところは嫌いじゃない」
     
     穏やかな笑みを浮かべるクリスの言葉を、カイトは「フン……」と受け流した。そのままカイトはジロリとクリスを見つめる。
     
    「ところで十二月といえば……俺たちの使命を忘れていないだろうな?」
     
     カイトの鋭い視線を受けても、クリスの笑みが崩れることはなかった。
     
    「勿論忘れてなどいないさ。解析プログラムの準備はすでにできている」
     
     そう言ってクリスは自席に戻りパソコンを操作する。カイトも彼の隣に移動し、横から画面を覗き込んだ。

     クリスはプログラムを走らせ、問題なく動作することをカイトに示す。
     
    「これでいいだろう? 彼らの生活データを用意すれば、いつでも始められる状態だ」
     
     先ほどよりも黒い微笑みを浮かべるクリスに、カイトは静かに頷く。
     
    「では明日にでも解析を始めるとしようか……ものによっては、手配に時間がかかる可能性がある」
     
    「ああ。可愛い弟たちの笑顔のため、何としても手に入れるとしよう……彼らの望むプレゼントを」
     
     こうして二人の兄兼天才科学者によるクリスマスプレゼント探しは幕を開けた。その手がかりは――二ヶ月間あらゆる方法で収集された、弟たちの生活の記録。

     この二人に解き明かせない謎など存在しない。そして弟たちのプライバシーもまた、この二人の前で守られることはないのである。

    【チョコ】
    ・カイト+ハルト ・無印22話

     Mr.ハートランドがハルトを連れ出した後も、カイトはその部屋に一人で立ち尽くしていた。弟に渡すはずだったマグカップを両手で握り締め、ホットチョコレートが描く渦巻きを見つめながら、彼は軽くため息をつく。

     ――みんなのことを考えない兄さんは嫌いだ。

     先ほどのハルトの言葉を脳内で反復し、持ち主のいないベッドに腰掛けた。

    (……嫌い、か)

     ショックを受けていないと言えば嘘になる。しかしその言葉によるダメージよりも、弟に対する心配のほうが大きかった。

     人懐っこくて、誰に対しても友好的だったハルト。「病気」になる前の彼であれば、「嫌い」などという言葉を人にぶつけることはなかったはずだ。ハルトの謎の力は――どれだけ彼を蝕んでいるのだろうか。虚ろなヘーゼル色の瞳と、冷たく平坦な声を思い出す度に、心が締め付けられるような感覚に襲われる。

     その一方で安堵もあった。どんなに消耗していても、ハルトは他者のために献身しようとしている。生まれつき体の弱い彼は、その不自由さゆえか、誰かの助けになりたいという気持ちを強く持っていた。あんな状態であっても――ハルトはやはり、ハルトなのだ。

     カイトはマグカップを持ち上げ、ホットチョコレートを一口含む。

    (少し、冷まし過ぎたか)

     彼は記憶の中でその温もりを辿る。

     ――母の淹れるホットチョコレートは温かく、それでいて火傷をしないような、適度な温度に調節されていた。だがそれが可能だったのは、普通の家庭で一般的な生活を送っていたからだ。ハルトがこの部屋に軟禁されている今の状態では、出来立てのホットチョコレートを出してやることすらできない。
     カイトは再びカップに口をつける。

    (……甘い)

     一八歳の青年にはくどすぎるその味に、過去の記憶が流れ込んでくる。

     ――極々まれに、父がホットチョコレートを作ることがあった。子供のあやし方など知らない彼は、ひとまず甘いもので機嫌を取ろうとしたのだろう。健康のことなど全く考えられていない、ふんだんにチョコレートを使った熱々の飲み物。その甘ったるさも不器用さも、子供心に嫌いではなかった。

     カイトはすっかりぬるくなったそれを一気に飲み干す。胃にずしりとのしかかる重さを抱えながら、空っぽになったマグカップを見つめた。

     失ったものは――二度と戻らない。

     カップを握る手に力がこもる。

    (ハルトは必ず、俺が救う)

     彼は静かに立ち上がり、狩りへと向かう。弟を悪夢から連れ戻すまで、その歩みを止めることはない。

     今の彼にあるのは、ハルトだけなのだから。
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