sweet days はっと目を覚ますと広いベッドの上だった。窓からはやわらかい光をまとった朝の陽光が射し込み、フローリングに優しい斜光線の模様を作っている。
視界に映る家具や時計の素材、色合いなんかが少し海外チックで、公共放送で流れるシチュエーションコメディの背景とよく似ていた。
「…ん…ん~…」
何度か目を瞬かせて意識を覚醒させると、やたらと高い天井が目に入った。どこだここ。明らかに自室とは違うこの状況を不思議に思いつつも、妙に落ち着いている自分がいた。その時だった。なに騒いでんの、とすぐ後ろから誰かのくぐもった声が聞こえたのは。
「なにって、うおっ」
そのまま勢いよく抱き寄せられ、胸のなかに閉じ込められた。ぎゅうと背中から抱き締められ、咄嗟のことに反応出来ない。さらにはその声にも匂いにもどこか覚えがあったので、余計にリョータの心をざわつかせる。
2661