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    hiyori_odayaka

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    hiyori_odayaka

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    ユウキさんお誕生日小説です。大大大大大遅刻。本当すみません…!!!相ひざリクエストだったんですが、なかなかラブラブな、強烈な愛情を感じさせる相ひざが書けませんでした…無念すぎる…また機会があれば加筆修正したいくらいです。設定は山田高1、澤が担任教師です。

    #相マイ
    together
    #相ひざ

    Please,catch me if you can.それは、どうしようもないものだった。
     今振り返っても、どんなに考えても、避けようがなかったと思う。それくらいの、衝撃だった。
     高校初日。入学式があるかと思いきや、突然現れた担任の先生である相澤先生。その日はレクリエーションもなく早速しごかれ、クラスメイトは満身創痍だった。しかし俺の気持ちはもっと別のところにあった。おそらく、俗に言う一目惚れなのだろう。もちろん俺も例外なくしごかれて、ヘトヘトだったけど、それを超える甘くて苦しいこの気持ちを受け止めるのでその日は精一杯だった。
     その日から、ヒーローになる為の努力は勿論、その上で相澤先生に好意を持ってもらえるように努力しまくった。授業後に復習の為だと声をかけ、校内でたまたま見かけたら声かけてスキンシップも取ったりして。そんなことで相澤先生が俺なんかを好いてくれるなんて思ってもないけど…やれることは全てやりたかった。ヒーローなら、きっとそうするだろ?
     ヒーローとして立派になることと、俺に魅力を感じてもらうこと。この二つをクリアしなくては、おそらく相澤先生とお付き合いなんて、出来るはずがない。むしろ、この二つができてやっとスタートラインくらいの感じ。そう、思っていた。

     その日は、クラスメイトがいくつかの班に分かれて、演習を行っていた。そこで俺は大失敗をした。俺の判断ミスで、クラスメイトが怪我をしそうになったので、それを庇ったら俺が怪我をした。といっても、足首の捻挫と背中の打撲程度ではあるんだけど…やらかしてしまった。動けなくなった俺を付き添いの先生とクラスメイトが運び出し、リカバリーガールの元へ届けてくれた。
     リカバリーガールにお説教されながら、捻挫と打撲をある程度まで治してもらった。完治はしてくれないのかと聞いたら「無茶する奴にはこれくらい痛みが残ってた方が薬になるんだ」とか言われた。くそ、悔しい。
     なにより気になっていたのは、相澤先生のこと。担任の先生だから、まず連絡は間違いなくいっているはず。ダサすぎる…相澤先生に、知られたくない…。相澤先生が好きだから、カッコ悪い自分は見せたくなかった。だから、人一倍努力もしてきた。なのに…やっちまった。原因も俺の判断ミス。言い逃れようのない、俺の未熟さ故の、失敗だった。ちょっと、泣きそうだった。
     泣くのを我慢して保健室のベットで休んでいると、保健室に誰か入ってきた。
    「リカバリーガール…、山田、来てますか」
    「あぁ、治療は終わって休ませてるよ。今日半日休めば、明日からは問題ないさ」
    「わかりました。ありがとうございます。」
     入ってきたのは相澤先生だった。…やっぱり怒られる?そらそうだよな。今日の俺は本当にダメだったし…あー最悪だ。これで嫌われたらどうしよう?いや、相澤先生はそんなタイプじゃないけど…、でも、恋愛対象からは程遠くなっちゃう、よな?あ、やばい泣きそう。耐えろ、耐えろ!
    「リカバリーガール、ちょっと2人で話しても…」
    「あぁ、良いけど、一応怪我人だから無理させないようにね」
    「はい。ありがとうございます。」
     すると、扉が開いて、そっと閉じる音。リカバリーガールが出ていったようだった。
     なにそれ、俺、そんなとんでもなく怒られるの……?
    「山田、今、いいか」
    「っ、は、はい!」
     シャッ、とカーテンが開かれて、そこにはいつも通りの相澤先生が居た。
    「…具合は、どうだ」
    「…ぇ、あ、大丈夫、です。リカバリーガールに治してもらったんで…少し痛みが残ってる程度、です。」
    「…そうか。なら、良かった」
    「あ、あの、今日は本当にすみませんでした。俺の、判断ミスで…!」
    「………」
    「…先生?」
     いつも通りの相澤先生だと、思っていた。でも、やっぱり違う。なんだか、見たことない雰囲気…?
    「………確かに、今回の件、山田の判断ミスが招いた部分はある。しかし、話を聞いているに、周りのメンバーがお前に任せすぎていた部分もある。…もう少し、周りに頼れ」
    「…はい、すみません」
    「…あと、無茶しすぎだ。庇って大怪我するな。ヒーローとして確かに正しい判断だったかもしれないが、その後の任務を考えれば、誰も傷つかずに庇うことも大事だった。山田ではなく、他の奴の個性を使えばそれが出来た。」
    「…はい」
    「…説教はここまでだ。」
    「すみ、ません、でした…!」
     俺は泣きそうだった。でもダメだ、情けない。こんなことで、泣いてちゃダメだ。俺は、俺は…
    「山田、頼む、泣くな…」
     ふ、と気配を感じて顔を上げると、相澤先生が悲しそうな顔で、俺の涙を拭いながら俺を見つめていた。
    「せん、せ…」
    「頼む、お前の泣き顔は、その…あまり、見ていたくない。見てると、なんだかしんどい。悔しいのもわかるが…そう泣くな…」
     先生が、優しく俺の涙を拭ってくれた。その仕草はあまりにも優しくて、まるで俺が大切に扱われてるかの様な錯覚を起こしそうだった。
    「ぁ、う、」
    「?どうした、山田」
    「ぁ、そ、その…ちょっと、近いっていうか、その、優しいの、なんか恥ずかしいです…」
    「………!!??」
     そこで、やっと自分のやっていたことがわかった、かの様な先生は、目を見開いて素早い動きで俺から離れてしまった。
    「せんせ…?」
    「とにかく、今日は休んでおけ。明日から、また訓練だからな」
    「っ、はい!」
     その後、そそくさと相澤先生は出ていってしまった。
    「……っ、ふぁーーーーっ、、」
     布団にうずくまって、大きくため息をつく。なんだか、緊張した。先生とふたりきりっていうのもだけど、怒られたのもだけど、何より最後の、あの、あれが………
    「…忘れられそうに、ない、な……」
     改めて、先生のことが好きだな、と感じたし、勉強も実技も恋愛も、全部頑張ろうと思えた。


    「っ、あーーーーーーー……」
     やってしまった。やってしまった。それしか、出てこない。生徒にだぞ?俺は、最低なことを、しかけたというか…
    「いや、もう、こんな気持ちを抱いてる時点で…」
     きっと、教師としては、失格なのだろう。でも。あいつの成長を最後まで見届けたくて。
    「こんなに、俺は傲慢だったか…?」
     成長を見届けたいだけでは足りず、まさか触れてしまうなんて。
     我慢強い方だという、自負が、崩れていく。自分のことが信じられなくなっていく。
    「山田のことになると、どうも…いかんな…」
     最初は人懐っこい、可愛らしい生徒の1人だったのだ。勉強熱心で、質問にもよく来る。ふらっと現れては、俺の手伝いをしてくれることもあった。よく居る優等生の1人でしかなかった。
     いつからだったか、最初は受け入れているだけだったはずが、気がついたら山田に居て欲しいと思う様になって。なにかあったら、山田に頼み事をして。授業後の質問も、いつしかこっちが待つ様になった。わざと片付けをゆっくりしたりして、「まだ来ないのか」と待っている自分が居た。偶然会った時は、山田は楽しそうに世間話しながら俺の肩や腕を触ることもあり、なんの意味なんてないであろうそのスキンシップに翻弄されていた。
     男女ともに人気のある山田。校内でその姿を見るたびに、ちくりと痛む胸を見て見ぬふりをして。
     
     そんな中、山田が怪我をしたと聞いた時は、一瞬にして体中の血の気が引いた。冷静を装いつつも、冷や汗が止まらず、頭の中は真っ白な自分に、保健室に向かいながら嘲笑した。情けない。いい大人が。しかも教師が。こんな気持ちを抱いて良いはずがない。
     保健室での山田は、思っていたより元気そうで安心した。そして、教師という立場上、もっともらしい説教をした。でもなんだか自分で話しながらも薄っぺらく感じた。
     本当は、ただただ心配だったのだと伝えたかった。もう、そんな無茶はするなと。怪我なんてしてほしくないと。
     そして、説教を終えると、山田はポロポロと泣き出してしまった。あの時、なぜ手を伸ばしてしまったんだろうか。そんな答えなんかもう出てる。
     あまりに、切なく美しかったから。大きな翆色の瞳からポロポロと溢れんばかりに溢れる涙が、俺にはとても悲しく写って。この涙を拭うのは、俺でいたいなんて、思ってしまったのだ。そして、泣かせたことを酷く酷く、後悔した。こんな顔させたいわけじゃなかったんだ。俺は、俺は、山田の太陽の様な笑顔が大好きなんだから。
     その後、山田の言葉で我に帰る訳だが……あの山田の恥ずかしがっている表情に、期待をしている自分もいて、呆れる。
     もしかすると、そういう気持ちを、抱いてくれるのかもしれない、なんて。
     そうだったところで、俺が手を出せば犯罪だ。というか、倫理的にアウト。そんなこと――
    「分かっては、居るんだがな…」
     やはり、自分は思っていたより我慢強くないらしい。そのことを胸に強く刻み、まだ三年間もある今後の生活の事を憂いた。
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    hiyori_odayaka

    DONEユウキさんお誕生日小説です。大大大大大遅刻。本当すみません…!!!相ひざリクエストだったんですが、なかなかラブラブな、強烈な愛情を感じさせる相ひざが書けませんでした…無念すぎる…また機会があれば加筆修正したいくらいです。設定は山田高1、澤が担任教師です。
    Please,catch me if you can.それは、どうしようもないものだった。
     今振り返っても、どんなに考えても、避けようがなかったと思う。それくらいの、衝撃だった。
     高校初日。入学式があるかと思いきや、突然現れた担任の先生である相澤先生。その日はレクリエーションもなく早速しごかれ、クラスメイトは満身創痍だった。しかし俺の気持ちはもっと別のところにあった。おそらく、俗に言う一目惚れなのだろう。もちろん俺も例外なくしごかれて、ヘトヘトだったけど、それを超える甘くて苦しいこの気持ちを受け止めるのでその日は精一杯だった。
     その日から、ヒーローになる為の努力は勿論、その上で相澤先生に好意を持ってもらえるように努力しまくった。授業後に復習の為だと声をかけ、校内でたまたま見かけたら声かけてスキンシップも取ったりして。そんなことで相澤先生が俺なんかを好いてくれるなんて思ってもないけど…やれることは全てやりたかった。ヒーローなら、きっとそうするだろ?
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