小さくない破裂音と共に、此方に走り跳んで来ていた長身の男が受け身も取らないまま崩れ落ちた。即座にその身体を支え起こしたい衝動をどうにか押さえ付け、襲撃者に向けてブラスターを撃つ。
動かなくなった襲撃者を別の隊員達が拘束しにかかったのを視界に入れるや否や、血を滴らせながら地に伏せている彼の身体に触れ声をかけた。
「理人!!」
目を閉ざして痛みに耐えていた理人は、ナハトの呼び掛けでゆっくりと瞼を開けようとする。
「あかつきさん、おけがは、ありませんか…?」
瞼が開き切るよりも先に、浅い呼吸を繰り返しながら理人はそう尋ねて来た。何故、と思うが問うことはしない。ここでそう問うてしまえば激情のまま言葉を発して止まらなくなるだろうことが分かっていた。
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