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    有馬 礼

    @ARIMAREIatMOON

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    POIPOI 9

    有馬 礼

    DONE東砂騎さん作「鏡像の夜を破れ」と拙作「蠱毒姫」のクロスオーバー作品です。
    魔界の労働者たちは、外交も兼ね、ようやく乗り越えた繁忙期の慰安を企画する。

    こちらはひたすら暑苦しい絵面となっております。麗しい女子を堪能したい方は東さんが書いてくださった「鏡像」サイドへ♡ https://poipiku.com/6407483/10599970.html
    魔界と現世の夏休み 爆映え⭐︎ナイトプール「……バカの乱痴気騒ぎが何ですって?」

     蜥蜴型魔族の執事頭メーアメーアはぺろりと眼球を舐めた。

    「違いますよ。ナイトプールです。ナ・イ・ト・プ・ー・ル」

     魔王の妃アウゲの侍女頭、ザフィアは一音一音区切って言い直す。

    「それで、そのナイトプールとやらが何ですって?」

    「ちゃんと私の話聞いてました? 姫さまが現世の只人たちを招待したいっておっしゃるから、その趣向を考えろって言ったの、執事頭でしょ?」

    「……わたくしが言ったのは客人をもてなす趣向のことで、乱痴気騒ぎの趣向ではありませんが」

     メーアメーアは反対側の眼球を舐める。

    「脳筋の近衛が一緒に行くんならどっちにしたってバカの乱痴気騒ぎは避けられないじゃないですか。あいつらは小隊対抗山岳レースでもやらせとけばいいんですよ。どうせ高価な料理の味もわかりゃしないんだし。酒と肉与えてほったらかしとけば適当にやるでしょ。ねえ?」
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    有馬 礼

    DONE「続・蠱毒姫」1話直前のお話です。また、東砂騎さん作「鏡像の夜を破れ」クロスオーバー作品であり、東さんが書いてくださった「転がる宝石と透けてる下着と吠える犬」(https://poipiku.com/IllustDetailPcV.jsp?ID=6407483&TD=7640300)の蠱毒姫サイドのお話でもあります。
    転がる宝石と見えてる犬と吠えない熊 よりにもよって近衛隊長であるオルドの留守中に。隊長代理を務めているグラナートは城の中央廊下を駆け抜けながら苦々しく叫んだ。

    「現世からの侵入者など、あり得ない事態だ。そもそもそんなことが可能なのか!?」

     背中でシンプルに一つに結えただけの金髪が踊る。

    「いえ、理論的には不可能だと……。そもそも現世の只人は、魔界の毒素には耐えられないはずで……」

     隣を走る副官の男性・パーヴェルも、全力疾走でグラナートに並走している。

    「私もその認識でいた。どういうことなんだ? マダム・アマーリアのアトリエに何か仕掛けがあるということではないんだよな?」

     魔界で1番のドレスメイカーの店には、たしか、店主でデザイナーのマダム・アマーリアがイメージしたとおりのドレスを実体化させる部屋があったはずだと記憶していた。しかし、ドレスを実体化できるのはあくまでマダム・アマーリアの能力によるもので、部屋自体に仕掛けはないということだったが。知らないだけで、実は何か秘密があったのかもしれないとグラナートは走りながら考える。
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