うたた寝日和どうしてオレは漂っているのか
どうしてオレは消えることができなかったのか
わからない、わからない
オレの器は空に還ったというのに、オレには虚ろばかりが残る
近づくものは焼き尽くす凍てつく業火を振りまいて
なおもこの身は焦がれるばかり、凍えるばかり
その炎さえも失って、漂うだけのオレが何に届くというだろう
ここがどこかもわからない
この世なのか、あの世なのか
それさえおぼろげなここがオレにはお似合いか
ここには誰もいない、何もない
ただただ虚ろがあるばかり
どれほど時が流れたか
オレはいつまでここにいるのか
魂が擦り切れ何も残さず、どこに還ることもなく消えるまで
ずっとここにいるのだろう
ただただその時を待つばかりだった
そのはずのオレに、この場所に感じるこのあたたかさはなんだろう
凍える心に必要なのは燃えるような憤怒ではなかった
与えられるのは地獄の業火ではなかった
この雪どけのようなあたたかさ、夜明けのようなやわらかな光こそが
オレが求めた、オレを導くものだった
ああ、このあたたかな陽だまりの中でなら
きっとゆっくり眠れるだろう
Fin