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    誕生日のフォロワーさんに捧げた作品。
    Fesよかったねぇ…
    💙💜♀(学パロ)

    #Ikeshu

    「ポニーテール!」
    「いいや、ツインテールだね!」
    「絶対ポニーテールの方がいいわ!」
     体育終わり、着替えて教室に入るなり聞こえてきた女子たちの声に僕はびっくりして声の方へと視線を向けた。そこには1人の子を囲んで女子たちが言い合いをしており、真ん中で囲まれた子が困ったように笑ってみんなを宥めてた。囲まれた子、もとい闇ノシュウは言い合っている女子、ぽむとエリーラの袖を掴んで落ち着いてよと声をかけている。
    「あの、僕本当にどっちでもいいよ…?好きなようにしてくれれば」
    「いいわけないじゃない!これは大事な問題よ!」
    「そうよ!どっちでもなんて言葉、許さないから!」
     ええ…、とさらに困った表情を浮かべたシュウは机の上に広げられた雑誌を見てはうんうんと首を傾げて唸っていた。後ろからポニーテール、ツインテールとぽむとエリーラがシュウに向けて呟いていて、それがなんだか可哀想に思えて僕は思わず声をかけた。
    「ねぇ、何してるの…」
    「…いいとこに来たわね、アイク。ポニーテールかツインテール、どっちがいいと思う?」
    「あんた、電子の歌姫好きなんだからツインテールの方がいいわよね!?」
    「歌姫が好きだからといってツインテールがいいってわけじゃないでしょ!」
     僕が声をかけたせいでまたギャーギャーと2人が言い合いを始めてしまい、声をかけなければよかったと少し後悔した。申し訳なさそうに間からごめんね…とちいさく謝りの言葉を入れたシュウに僕はそんなことないと首を横に振った。シュウは机に置いていた雑誌を持ち上げてこれなんだけど、と指をさして説明してくれる。
    「もうすぐ体育祭でしょ?女子全員髪の毛アレンジしようって話になったんだけど、ぽむとエリーラが僕の髪をどうするかって話で揉めちゃって…」
     僕としては全然髪下ろしたままでいいんだけどな…、と眉を下げた笑うシュウになるほどなと納得する。確か去年も同じクラスの女子たちは髪の毛を可愛くアレンジして体育祭に参加していた気がする。運動するのに髪は結ったほうが楽だし、こういうイベントでしかしないような髪型にもできるし、シュウも髪を結ったほうがいいと思うんだけどな。そういえば、シュウはいつも髪の毛下ろしてるな。髪の毛、結ってるところ見てみたいかも。そんなことを考えていると僕は自然と体が動いていた。
    「ちょっとごめんね?」
    「え?」
     まだ言い合いしているぽむとエリーラの間を縫って僕はシュウに近づき、彼女の髪に触れて軽く高い位置で一つに纏めて上げてみる。なんとなく想像していたけれどシュウの髪の毛は僕が思っている以上にサラサラで、すぐに指からすり抜けてしまうから纏めたはずの髪はところどころ束になって落ちていた。うーん、難しいなぁ。一度髪の毛を下ろして次は高い位置に二つで纏めてみる。さっきよりはコツを掴んだようで落ちてくる髪の毛
    も少なく上手くできたと思う。急に僕に髪を触れられて困惑して固まってしまったシュウの表情が面白く、思わずぷっと声に出して笑ってしまった。
    「ごめんごめん、急だったね」
    「え、いや、うん…。大丈夫なんだけど、え?」
     まだ状況を理解していないシュウは視線を右往左往させている。僕は掴んでいた髪を下ろして
    「これは個人的な好みなんだけど、シュウはポニテールの方がいいかな」
    「アイク!わかってんじゃん!やっぱポニーテールなのよ!」
     エリーラが野太い声でイェェイ!とポムに向かって勝利のガッツポーズを向け、悔しそうにポムが下唇を噛んでいる。それを横目にシュウのサラサラな髪を指でとき、一房掬うと座っている彼女と目線を合わせるべく床に膝をつけて綺麗なアメジストの瞳を見つめた。
    「シュウのポニーテール、見たいな。してくれる?」
    「…考えておきます」
    「そっか、期待してるね?」
     僕から目線を逸らしたシュウは目線を雑誌に戻した。僕は彼女の髪を離してそのまま立ち上がり、まだ言い合っている二人に声をかけた。
    「僕、先生に呼ばれてたからいくね。あんまりシュウを困らせちゃダメだよ」
     邪魔したね、と彼女たちに別れを告げて職員室へと向かうべく教室を後にした。…体育祭、正直暑くて面倒だから嫌だと思っていたけれど、楽しみできたな。あれだけ来ないで欲しいと思っていた行事が早くきて欲しいと思うだなんて、人生何があるかわからないな。僕は少しばかり軽くなった足取りで目的の場所へと足を踏み出した。


    ――

     アイクが教室から出ると、今まで言い合っていた二人はすぐにやめて椅子に座って雑誌を見ているシュウへと声をかけた。
    「それで、シュウ。どちらになさいます」
    「…、ポニーテールでお願いします」
     恥ずかしそうに顔を雑誌で隠すシュウに任せてよ!とぽむとエリーラはハイタッチして喜んだ。


     数十分ほど時間を遡る。体育の授業中、もうすぐ体育祭だという話を休憩している時に話し始めたところから始まる。ぽむもエリーラも去年の体育祭の時に髪をアレンジして参加したため、今年もアレンジしようという話題で盛り上がった。たまたまその場にいたシュウもその話に加わり、どういった髪型にするか意見を出し合っていた。
    「シュウ、去年はしてなかったよね?今年は一緒にするわよ!」
    「え、僕はいいよ。僕そういうの詳しくないし、凝ったもの出来ないし」
    「やってあげるわよ!可愛くしてあげるから!」
     あれよあれよといううちにシュウは体育祭で髪をアレンジすることは確定してしまい、シュウの抵抗は教師の集合という声と共に掻き消されてしまった。
     授業が終わり、体操服から制服へと着替えている最中にぽむがスマホを片手に寄ってきてシュウに画面を見せる。そこにはたくさんのヘアアレンジを載せたサイトで、指をすべらせてこれは?これはどうとシュウに問いかける。
    「どういうのにする?髪の毛上げてリボンに...するには髪少ないか。うーん、悩むわね」
    「リボン…!?ぼ、僕シンプルがいい…!」
    「えー、せっかくするのに?…じゃあ、ポニーテールかツインテールがいいかな。どっちがいい?」
     サイトの項目をタッチして2択の画面を出してくれる。正直どちらでもいい。自分の容姿にあまり頓着がないため、変でなければそれでいいと思っている。ツインテールは可愛らしいが、自分に可愛いが当てはまるのか不安になってしまう。ポニーテールを見るのは好きだが、自分が似合うかどうかはわからない。どうする?と二人に聞かれてもうーん唸るだけだった。
    「…アイクはどっちが好きだろ」
     ふとシュウは想い人のことを想像してしまった。シュウの片想い相手、アイク・イーヴランド。どうせなら彼の好みに寄せて少しでも可愛いと思われたい。少しだけでも意識してもらいたい。シュウが心の中で呟いていたと思っていた言葉はどうやら口に出ていたようで、ぼそっと呟いた言葉を二人は見逃さなかった。二人は任せなさいとシュウの肩を掴んで頷いた、が、当の本人は何が起こっているのか全く理解していなかった。そして冒頭のあれになるというわけであり、二人の企みは大成功となり幕を閉じた。


    ――

    「ほら、行きなって」
    「ちょっ、ちょっと…!押さないでっ」
    「焦ったい、いけ!」
     体育祭当日、ぽむとエリーラにドンと背中を押されてシュウは前に飛び出してしまった。そして前にいた人物の背中にシュウは勢いよくぶつかってしまった。
    「わ、ぶ…っ!ご、ごめん」
    「はは、びっくりしたけど大丈、夫…っ、」
    「…アイク?」
     ぶつかった相手はアイク。アイクの好み通りに髪を上で一つに束ねて、それだけなら物足りないからとゆるく巻いてもらった。ただそれだけなのにどこか恥ずかしくって、アイクに会わないように逃げ回っていたがぽむとエリーラに会いに行けと背中を押されてしまったのだった。シュウに気づいたアイクは、姿を見た瞬間言葉に詰まって固まってしまう。もしかして似合わなかったのか、何も話さずシュウを見るアイクに不安になって今すぐにでもここから逃げ出したい気分になる。するとアイクは、彼女の緩く巻かれた毛先を手に取り、柔らかく嬉しそうな笑顔を浮かべた。
    「…ポニーテールだ」
     アイクを好いているシュウにとってその笑顔は太陽より眩しく、心臓が破裂しそうなほど大きく動かす要因で、恥ずかしさと嬉しさが混じって顔がにやけるのを抑えるのに必死だった。
    「どーよ、アイク。私の自信作よ。ポニーテール勝ち取ったんだから」
     後ろから肩を組んでアイクに話しかけるエリーラ、シュウとお揃いでみんな一緒にポニーテールにした彼女たちには目もくれずアイクはただシュウだけを見つめ、毛先を指に絡めていた。
    「うん、とっても可愛い。やっぱポニーテール好きだなぁ。エリーラには感謝だね」
    「そうでしょ?わかってるわね、アイク」
     エリーラは笑いながらシュウから離れてぽむの元へと向かっていった。残されたシュウは無言のまま、アイクが指で髪を弄り終わるのを待っていた。可愛いと言われ、すでにシュウの頬は真っ赤に染まっており、どうにかバレないように必死に平常心を保っていた。満足したのか、アイクがシュウの髪から手を離すと今度はシュウの手を取って人の少ないベンチへと移動して隣に座るように叩いた。
    「シュウ、ポニーテールすごく似合ってる」
    「…そうかな、エリーラが頑張ってくれたから」
    「巻いてるの、可愛い。巻いてなくても、きっと可愛いんだろうね」
     人が少なくなったからなのか、次々出てくる褒め言葉にシュウは俯くことしかできなくなってしまっていた。嬉しくて嬉しくて堪らないのにそれを口にすることができず、ズボンの裾をきゅっと握りしめて幸せを噛み締める。握りしめた彼女の手を上から覆うようにアイクが手を重ね、シュウは驚いて勢いよく顔を上げた。
    「…ねぇ、シュウ。今度ツインテールにしてもいい?ポニーテールの方が僕は好きなんだけど、色んなシュウが見たくなっちゃった」
    「…恥ずかしいから、アイクしか見ないんだったらいいよ」
    「うん、僕しか見せない」
     ズボンを握りしめていた手はいつのまにか剥がされ、代わりにアイクの手が間に入り指を絡めてくる。感情がキャパオーバーで何も話せなくなったシュウは控えめに手を握りしめ返し、どうかこの時間が少しでも長く続くことを願った。



    ――

    「あれで付き合ってないってマジ?」
    「あの男、多分無自覚よ。誰がどう見たってシュウのこと好きなのに気付いてないのも怖すぎない?」
    「私達もポニテールにしてるのにシュウしか見えてないの怖すぎ」
     ポニーテールが好きなんじゃなくって“シュウの”ポニーテールが好きなんじゃん。はー、と大きく溜息をついた二人はアイクとシュウを残して自分たちの陣地に戻っていった。

     この後、借り物競走に参加したアイクはポニーテールの子というお題をひき、クラスに何人もいる女の子の中から迷わずシュウを選んで一位を勝ち取ったとさ。
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    【Myshu】香菸與琥珀(6)  Shu醒來的時候大約是凌晨四點半左右,他模模糊糊的揉了揉眼睛,首先發現Mysta並沒有在他身邊呼呼大睡,後來撇到被扔在一旁破損嚴重的童軍繩。



      不知道有沒有又抓傷Mysta…



      再來他發現自己的衣衫完整,除了頭髮有點凌亂,他基本上是好好的躺在床上並且被被子好好蓋住的,就像是什麼都沒有發生過一樣,他好像就那麼平常的睡了一晚,Shu起身走到床邊,戴上眼鏡看了眼時間,又仔細端詳著自己的雙手,沒錯,那正是他來戴眼鏡的原因。



      紅痕明顯、留下了點擦傷,看起來需要一陣子才會好起來。



      太好了,並不是沒事發生,只是弟弟太溫柔了,他乖巧可愛的弟弟…在這方面真的非常的溫柔呢,但是Shu其實並沒有感到很開心,因為無論是依照alpha在網路上對於這種活動都會非常失控之外,還是他對Mysta的了解,其實弟弟的個性都不是那種小心翼翼的人,只能說是非常不拘小節,但Shu有了兩次的體驗,不僅身體沒有不適,還總是在隔天完好的躺在床上,而且這次Mysta甚至沒有在他旁邊。
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