無題厄災討伐後、さて姫様はどこに居を構えますかとなった。リンクは当然カカリコ村に住むのだと思っていて、内心正直とても寂しかったのだが、しかしまさか一緒に住みましょうと言えるわけもなく話の行く末を他人事のように見守っていた。
そして今、リンクとゼルダは同じベッドで寝ている。
(どうしてこうなったんだろう?)
背中の向こうでゼルダの寝息を聞きながら自問自答するのはもはや毎晩の日課になりつつあった。
もちろん当然全く嫌なわけではないが、この状況がおかしいことくらいさすがのリンクにも分かっていた。
──遡ること一月前。
「姫様のハイラルのために動きたいというお気持ちは、このインパようようわかっております。ですが、今は百年の封印という大業を成し遂げたばかり。そうすぐに次へ次へと動いては身体も心も疲れてしまうでしょう。まずは少し、何も考えずに休むことも大切ですぞ。そこに、ほれ、丁度いい小器用な男がおりますでな」
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