誰かとなんて言わないで「な、なぁ…シュン…シュン、たのむ…」
「…俺がコマンドしても効かないだろ」
「いいから…シュン…」
わざとらしくため息を零すと、旬の体が一瞬跳ね上がり、疎む姿に罪悪感が募ってしまう。
「旬、comu」
「!!」
効果も、強制力もないだろうに、頬を紅葉させ元々少なかった距離を一気に詰め寄り早く、早くと次をせがみ目で訴えてくる旬の頭を撫でる。
「ん、Good、旬セーフワードはどうする?」
「い、いらない…いらないから、早く」
「no…それは駄目だって、前にも言ったよね?」
「しゅ、シュンは絶対嫌なことしないし、作りたくないっ、頼むから…」
見下ろしてくる旬の目が揺らいでいて、罪悪感がさらに募るが、心を鬼にしなければならない…この先シュン以外の誰かとPlayをする可能性が十分にあるのだ、その誰かに不要なダメージを受けて欲しくなかった。
「No、お前の今後もあるんだから…な?旬、asyだ、セーフワードを決めて、教えて」
「っ…い、やだ…」
「旬…」
首を振り、拒絶される。
旬が再覚醒したと同時に旬のswitchとしての強さも上がったのか、シュンのコマンドを弾くことが増えたし、前より効かなくなった。
それなのに、旬は見合った相手を探さず、シュンがいいと強請るのだ。
「なら、Playは無しだ」
「あ、ぁ…っ、決める…きめるから、行かないでくれ」
拒否という言葉が効いたのか旬の目は怯え服を掴み縋ってくる。
「こ、、こわい…こわい、で」
「もうちょっとマシなの…いや、うん、わかったよ
Good」
「ん…」
怯えが滲んでいた目がたった一言、よく出来たと褒めただけでドロリと溶けすり寄ってくる。
「じゃあ、旬…kneel?」
「ん、…も、もって…シュン、もっと…」
ストンと膝から勢いよく崩れ落ち、床に座り込む姿に毎回怪我をするんじゃないかとヒヤヒヤするが、そんなシュンの心配を他所に旬は嬉しそうに従う。
「何が欲しいの?旬、Speak…教えて?」
「ん…ん、な、で撫でて…撫でてくれ」
床に座り込み、下にある旬の頭を撫でる
「Good.GoodBoy…大丈夫、どこにも行かないから、ほらRelaxして」
途中で中断されるのを恐れているのか、旬の脚に腕を絡ませ身動きを封じてくる旬を落ち着かせようと何度も褒め、宥める。
だが、シュンのコマンドの力が弱いせいであまり効いてるようにはみえなかった。
「俺のコマンド…Playじゃ足りないだろ?…やっぱり、」
「いい…シュンが…シュンのPlayがいいんだ…」
「うっわっ…!?ちょっ、危なっ!」
無理矢理ソファに押し付けられ、座ったシュンの脚の間に割り込み、太ももに頭を預けもっと褒めろと行動で示してくる旬がいじらしくて、頭を撫でる。
「シュンの、シュン以外の…domのコマンドなんて要らないんだ…だから……」