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    harkas_

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    harkas_

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    タイトル未定、白鳩戦でフォーリンラブが解けなかったリングアベルが襲い受けする話。
    導入途中(R-18になる予定)

    どこか遠くから、誰かを呼ぶ声が聞こえる。トーンが高く、良く言えば耳に残る声。ティズ、ティズと泣きじゃくるようなその声が自分を呼んでいるのだと唐突に理解する。あれ、僕はどうしていたんだ?思考にもやがかかった様にはっきりとしない。動物の毛が焼けた様な匂いと、べったりとまとわりつく鉄の匂いにここが戦場であった事を思い出した。指の先、足の先、それぞれがある事を、動く事を確認して、それから息を吐く。上手く出来なくて少しむせて、それからゆっくりと重たい瞼を開いた。
    「イデア…そんなに…揺すらないで…」
    僕を呼んでいたのはイデア。僕は彼女にずっと揺さぶられていたようだ。軋む身体を懸命に起こすと、半泣きの彼女に抱きつかれた。
    「ティズ!気がついたのね!」
    そう言ってわんわんと泣きじゃくる。その様子からすると、僕は蘇生されたのだろう。あの大きな鳥の骨がベールを被った様な魔物に何らかの魔法をかけられたところまではぼんやりと思い出したが、その後の事がさっぱりだ。倒せたのか、倒されたのか。いや、そんな事より。
    「イデア、君1人だけ?」
    問い詰める様に言うと彼女ははっとして、
    「だ、大丈夫、アニエスは近くの川まで水をくみに行ってるわ。」
    そう言った。それから、少し気まずそうに木陰を指さすと、
    「リングアベルはあそこに縛ってある。」
    と、視線を逸らして言った。
    えっ、何で?僕が魔法をかけられた後、一体何があったんだ。その事をイデアに問いただそうとした時、イデアが指を指した方とは反対方向の茂みがガサガサと音を立てた。
    「ティズ!!意識が戻ったのですね!!」
    持っていた水筒をきつく抱きしめて、アニエスが駆け寄る。そんな所から出て来なくても、もっと歩きやすい道があるのに。とは言え重度の方向音痴である彼女が合流出来ただけで十分すごい事なのだが。
    心配かけてごめん、ありがとうと言いながら水筒を受け取る。軽く口の中を濯いで水を飲み、残りの水で適当な布を濡らして顔を拭くと、その布がべったりと赤く染まった。
    「やっぱり僕、死んでた?」
    気負わせたく無かったから、努めて明るく。リングアベルの事も気になるけれど、先ずは状況の把握をしないと。
    「いえ、生きてはいました。ただ、厄介な状態異常にかかって…」
    言いながらアニエスが顔を赤くして俯く。目が見えない、口がきけないならば覚えていない事なんて無いし、混乱にかかったとしても薬があったはずだ。俯いたアニエスを困った顔で眺めていたが、ふと、その後ろでニヤニヤしているイデアに気がついた。あの顔、僕達をからかう時の顔だ。こう言う時のイデアにはあまり尋ねたくないんだけど。
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    harkas_

    MAIKINGタイトル未定、白鳩戦でフォーリンラブが解けなかったリングアベルが襲い受けする話。
    導入途中(R-18になる予定)
    どこか遠くから、誰かを呼ぶ声が聞こえる。トーンが高く、良く言えば耳に残る声。ティズ、ティズと泣きじゃくるようなその声が自分を呼んでいるのだと唐突に理解する。あれ、僕はどうしていたんだ?思考にもやがかかった様にはっきりとしない。動物の毛が焼けた様な匂いと、べったりとまとわりつく鉄の匂いにここが戦場であった事を思い出した。指の先、足の先、それぞれがある事を、動く事を確認して、それから息を吐く。上手く出来なくて少しむせて、それからゆっくりと重たい瞼を開いた。
    「イデア…そんなに…揺すらないで…」
    僕を呼んでいたのはイデア。僕は彼女にずっと揺さぶられていたようだ。軋む身体を懸命に起こすと、半泣きの彼女に抱きつかれた。
    「ティズ!気がついたのね!」
    そう言ってわんわんと泣きじゃくる。その様子からすると、僕は蘇生されたのだろう。あの大きな鳥の骨がベールを被った様な魔物に何らかの魔法をかけられたところまではぼんやりと思い出したが、その後の事がさっぱりだ。倒せたのか、倒されたのか。いや、そんな事より。
    「イデア、君1人だけ?」
    問い詰める様に言うと彼女ははっとして、
    「だ、大丈夫、アニエスは近くの川ま 1100

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