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    44_mhyk

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    44_mhyk

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    【アーティストブラ×珈琲工房店主ネロ】
     ブにバイクで拉致されたネ。夏のお盆の逃避行。
     昔一度別れ、再会後復活した2人の現パロ番外編です。

    ##ブラネロ
    ##caramelado

    夏の盛りの逃避行「ん……」
     軽い違和感とともに目が覚める。
     肌に触れるシーツの感触が、馴染みのないものだと気づくより前に、汗ばんだ肌の匂いに安心した。
     まだ焦点が合わない意識のまま、誘われるように目の前の肌にちゅく、と吸い付けば、こら、今日はやべえ、と上からあまりやばくなさそうな笑い声が降って来た。
    「どうせならついててもいい時につけてくれよ。流石に今日はマネージャーに泣かれちまう」
    「んぅ……」
     ふしくれだった指が柔らかく唇を肌から引き剥がして、感触を楽しむように下唇をなぞってくる。
     ネロは覚醒しかけた意識の中で、ちゅく、とその指先を口内へ迎え入れた。
     ちゅむ、と舌を這わせて夢中になってしゃぶっていると、あーくそ、と頭上で漏れた低い声に艶が乗った。
     ブラッドリーの、欲が溶け込んだ声が好きだ。
     掠れて、艶めかしく響くその声はいつだってネロを煽る。
    「ネロ」
    「ふ、……」
     お伺いを立てるように背中伝いに腰へと滑り降りる手。
     応と答える代わりに、ネロは腰を浮かせた。



    「昼まで時間あるけど、どこ行きてえよ」
    「……お前、いきなり呼んどいてそれを考える暇があったと思うのかよ」
     朝から濃厚すぎる時間を過ごし、いつになくゆっくりとした時間に二人でシャワーを浴びる。
     さすが、やり手芸能プロの双子社長の別荘だ。
     常に管理会社にメンテナンスされているという三階建ては、埃ひとつなく、タオルやシーツに至るまで完璧な用意がされていた。
     避暑地として有名なこの地は、来てみたいと思いつつきたことがなかった。
     ネロはタンクトップの上からシャツを羽織りながら苦笑した。
    「あんたのサプライズには本当、毎度驚かされる」
    「楽しくていいだろうが」
     ネロを突然バイクで拉致した張本人は、得意げに胸を張って見せた。
    「今日のライブの後、次のライブまで少しオフもらったからよ、明日一日ゆっくりしてから帰ろうぜ」
     夏休みの特別休業日をやたらと確認したがったのはこのためか、とネロは腰を抱く手を軽く叩き落としながら顔を顰めた。
     不快感からではない。
     くすぐったいような、落ち着かないような、それでいて高揚するような変な気分に襲われたからだ。
     自分が「帰る場所」を持たないのをよく知っている男の、さりげなさが胸をつつく。
     叩き落とした手を掴んで、すぐそばのテーブルに無造作に放置されていた革のブレスレットを巻き付けてやりながら、ネロは軽く首を伸ばしてブラッドリーにキスをした。
    「んじゃ、昼からは明日どこ行きてえか調べとく」
    「なんなら一緒に会場入りするか?スタッフに話通してやるけど」
    「やだよ。開場したら一般で行くから」
     BBのプライベートの関係者、なんて万が一知れたらと思うだけで恐ろしい。
     この男は熱狂的な信者のようなファンが山ほどいるのだ。
     いつもなら、こちらのことを考えて配慮してくれるのに、どうやらこの男もかなりうわついているらしい。
     自分でも思い至ったのか、あー、と眉間に皺を刻んで沈黙したブラッドリーが、ちゅ、と唇にキスを返しながら、悪い、そうだな、と小さく囁いた。
    「ここんとこライブ漬けでろくに顔見てなかったからよ」
    「わかってるよ。だから、……ちゃんと嬉しいと思ってる」
    「ん」
     また落ち着いたら日帰りで県外行こうな、と嬉しそうに目を細めたブラッドリーに、あぁ、たまんねえな、とネロは甘いため息を吐いた。
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    44_mhyk

    SPOILERイベスト読了1回目。全員かっこよかったけどとりあえず推しカプブラネロのみに特化します。
    1127少しだけ追記。
    まず、全体を通して。
     ブラッドリーはネロを信頼していて、ネロはブラッドリーを信頼してた。
     間違いなくこの戦いの間、二人は「元」なんかじゃなかった。バディだったよ、まぎれもなく。
     ネロの怒りを尊重し、最高位の強化魔法を撃ち込んだブラッドリー。
     多分、ブラッドリーの方が簡単に仕留められるのだろうに、その役目を、ネロにまかせた。ネロの心を大切にした。信頼して、任せて、見守った。
     もう、涙とまらなかったです。
     信頼しているからこそ、正面を向いて胸に魔法の弾丸を受け止めることができる。
     ネロ、ちゃんと、つながってるよ。もう、たまらなかった。

     ネロも、光さえあればブラッドリーが撃ち抜ける、と、ブラッドリーを信頼してた。
     くしゃみで飛ばされて笑っちゃったけど、繰り返して戻ってくるとは思ってなかったし、何より、間に合う男…私の推し死ぬほどかっこよかったです…。(放心状態)

     ブラッドリーが、頑張ったちっちゃいの二人に男前な面と声をかけたのが本当に、兄貴っぽくて、あたたかくて、ああ、ブラッドリーって、北の無法者たちが惚れた男って、こういう男なんだ、と、つくづく感じた。

     そして最 1376

    hareteichi24

    MOURNINGだいぶ前に書いてた話。途中
    ・カラ一のつもりで書いてたのですが、初っ端一松くんがフラれる描写から始まります。

    ・名前のあるモブがとにかく出張ります
    ・CPはカラ一のみです。モブとのそういった意味での絡みはありません。カラ一にすらなってないとこで終わってます。

    ただ、書き上げる気力が尽きたためそのうち続けるにしても供養として。

    そして気付けば、放り投げてからほぼ2年。
    その子は迷い猫ではありません!!ここ最近、なんだかやたらといいことが続いた。

    おそ松兄さんに無理やり引きずられていった(友達の猫待ちで部屋で待機していたのに)競馬場では馬単で1500円分買った馬券が万馬券となり、羨ましいと泣き喚く兄にいくらか渡してちゃんと口止めもした。
    十四松とチョロ松に誘われて出かけて行ったパチンコでは新台が大当たりして財布の厚みがいくらか増し帰り道でちょっといい居酒屋に立ち寄ってチョロ松と十四松を買収した。わりとちょろい兄弟たちのおかげで懐は暖かかった。もともと金遣いの荒い長兄やファッションに気を使う次兄と末弟、趣味に金を注ぎ込む三男とは違い無趣味で身だしなみにも無頓着な自分が出費するところといえば猫缶。猫に必要なグッズ。あとは十四松と出かけた時にコンビニで買い食いするくらいなもので、数週間経ってもそれほど目減りはしなかったのだ。
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    時緒🍴自家通販実施中

    TRAININGお題:「花火」「熱帯夜」「一途」
    ムルたちが花火を楽しむ横で、賢者の未来について語ろうとするブラッドリーとそれを止めるネロのお話です。
    優しいあなた 夏の夜、魔法舎に大きな花火が上がった。俺はそれを偶然厨房の窓から見ていて、相変わらずよくやるものだと、寸胴鍋を洗う手を止めてため息をついた。食堂から歓声が聞こえたから、多分そこにあのきらきらと消えてゆく炎を作った者(きっとムルだ)と賢者や、素直な西と南の魔法使いたちがいるのだろう。
     俺はそんなことを考えて、汗を拭いながらまた洗い物に戻った。魔法をかければ一瞬の出来事なのだが、そうはしたくないのが料理人として出来てしまったルーティーンというものだ。東の国では人間として振る舞っていたから、その癖が抜けないのもある。
     しかし暑い。北の国とも、東の国とも違う中央の暑さは体力を奪い、俺は鍋を洗い終える頃には汗だくになっていた。賢者がいた世界では、これを熱帯夜というのだという。賢者がいた世界に四季があるのは中央の国と一緒だが、涼しい顔をしたあの人は、ニホンよりずっと楽ですよとどこか訳知り顔で俺に告げたのだった。——しかし暑い。賢者がいた世界ではこの暑さは程度が知れているのかもしれないが、北の国生まれの俺には酷だった。夕食どきに汲んできた井戸水もぬるくなっているし、これのどこが楽なんだろう。信じられない。
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