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    事件に巻き込まれるガイアさんと当然のようにしれっと追っていく旦那様のお話。旅人が消息を断つところからスタート。

    #ディルガイ
    luckae
    #ガイア
    gaia
    #luckae
    luckae
    #ディルック
    dirk

    ディルガイSS 進捗「空が見当たらない?」

     漸く長い冬が終わり、モンドにも春がやってきた昼下がり。春爛漫のいい天気だとばかりに伸びをして今日は軽い巡回だけで済みそうだと夜の予定を立てていたガイアの下へ届いた知らせは穏やかなものではなく、またそれを聞いたディルックも怪訝な顔をした。

    「そう言われれば見かけてないな……でも彼が居ないのはいつものこと……というよりかは旅をしているんだろう?モンドにしょっちゅう顔を出しているわけじゃない」
    「それがパイモンが一週間前にはぐれたっきり会えないと騒いでいたらしくてな。旅人がいなければ何もできないから璃月の外れからここまできたらしい」
    「なるほど……また随分離れた場所から来たな……近くの冒険者協会に助けを求めなかったのか?」
    「勿論求めたが、『旅人はこちらに寄ってない』と無碍にされるばかりで騎士団を頼ってきた感じだな。食うや食わずだったせいかさっき飯をかき込んで今は寝ていてジンとアンバーが様子を見ている」
    「……」
    「騎士団の仕事じゃないのかなんて言うなよ。俺はききこみとしてここにきているんだからな」
    「わかっている」

     偵察中のアンバーがパイモンを抱き込んで慌てて騎士団本部に駆け込んだ為、一時騒然とした騎士団だが、今のところ落ち着きを取り戻したらしい。グラスを拭きながら話を聞いていたディルックはそう言われれば旅人を見ていないなと思うが、珍しいことではないと流そうとしたところ、いつも一緒の相棒が会えていないことを知り、不自然さを漸く悟ったというところであった。

    「妹を探していたら自分まで行方不明になるとは。しかしあの旅人だろう?早々危険な目に遭うとは思えない」
    「わかってる。その実力も折り紙付きだ。でなきゃ栄誉騎士の称号も与えていないだろうに」
    「それはそうなんだが……パイモンの記憶も朧げでな」

     話を聞いたところ一週間前に買い出しに出てくると別れたっきりだというが、断片的に覚えている情報がもうにも時系列がおかしいらしい。

    「それは本当に一週間の認識でいいのか?」
    「俺もそれは疑問に思ってな。実際一ヶ月以上は会ってないんだ。パイモンが自分で認識しているのが一週間で実際は一ヶ月以上ということはあり得る話だしな……でも旦那様のところにも情報がなさそうということはわかったぜ」

     邪魔したとばかりにカウンターを離れ、出入り口に向かうガイア。これからどうするんだとばかりの目を向けるディルックにガイアは当たり前のように答える。

    「俺の方でもしばらく旅人の情報を聞いて回ってみるつもりだ」
    「旅人のことは心配なのはわからなくもないが業務外のことなんじゃないか?」
    「それがパイモンから正式に『行方不明の相棒を探してほしい』と依頼があってな」
    「あの旅人が消息を断つくらいだ。何かあってもおかしくはないと思うが?」
    「危ないと判断したらすぐに手を引く。これでも引き際は弁えているし、誰かさんとは違うんだからすぐ敵陣に突っ込んではいかないさ」
    「……」

    暗に闇夜の英雄のように敵陣を力技で爆破するやり方は多用しないと釘を刺すとガイアはひらひらと手を振りながらエンジェルスシェアの扉をくぐっていく。

    ディルックがガイアの姿を見たのはそれが最後だった。
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    @ay8mk5dg

    PROGRESSメイドの日ディルガイ。主にワイナリーメイド長のエピソードからわかる幼少期の二人のお話(イベストネタバレ有り注意)
    メイドの日ディルガイ進捗「ふふっ、ガイア、僕に隠れて何してるの?」
    「義兄さん……!」

     アカツキワイナリーが見える小高い丘の上で子どもが一人楽譜を眺めているかと思えばそれは小さな頭がもう一つ増えた。青い触覚は慌てて赤に目線を合わせたつもりだったが、背中から覗き込もうとしていた赤い毛玉は気にすることなくぴょこ!と義弟であるガイアの隣に座るのだ。

    「はい、お水とサンドイッチ。多分ここだろうと思ったからね。適度にお休み入れないと疲れちゃうよ」
    「ええと僕……」
    「ガイア、最近僕から離れて一人でいること多いんだもの。なにしてるか気になるでしょ?」

     晴れた日に小高い丘の上で小さな子供が紙と睨めっこをしながら一人でいる姿など、最近のラグヴィンド家の様子を知っている者ならば何をしているか一目瞭然なのだが、この活発な跡取りは中々納得がいかずに本人に突撃してくるのだから、性格がは対称的と言われる所以である。それでも大人たちに何か言われたのか子供でも持てるサイズのバスケットを持参してきたのだから、出会った頃あたり構わず連れ回していた頃よりは成長したのだろう。メイド特製のレモネードをコクコクと飲みながらガイアは練習疲れを癒すため。ディルックは冷えたままがいいだろうとばかりに走ってきたので熱冷ましに。結果2人とも喉が渇いていたので一気にコクコクと飲み干してしまったのだ。
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