浮かれポンチバカンスショック〔ロマ普〕
「耳の裏褒められてる気分だ」お兄様は不器用にそんなことを言う。褒めなれない人間ながらに考えたっていう意味なのは分かる、それにしたって、である…
「あの、お兄様…押し倒して何してるんですか」
「あ?お前があまりに浮かれてとんでもねえ格好を晒しやがったからだろこんちくしょう。どういうつもりだ?」
「んぐぅ、だって、…お兄様んちなんですよ?浮かれないわけないだろ?こんなに…その好きなんだし」
「ほー?」
ギラギラした緑の瞳は明らかに何かに昂ってるという証拠なのだ。
そんな普段2人きりでしか見せてくれない瞳と顔が間近で拝むことになる、まぁ恋人同士なんだから当たり前だとしてもこの体勢は明らかになにかするつもりなのである。
「あの、動けねぇ…ンですけど」
「俺を押し倒したら動けるよな、お前なら出来るよな?」
「え、そんな不敬なことしねぇっ」
「ほーん?」
するりと掌が胸に伸びる、思わずびくっと肩を揺らし目を見開けば胸に思いっきり強く吸い付き痕を残されてしまった。
「ぁっ!?」
これでよし。そう呟いてくるんとしたアホ毛はハートになる目の前のいとしい人。
あまりにびっくりして思わず「ろまー、の?」と聞き返してしまう、その様子があまりに心地よかったのか指が鬱血した痕を撫でてくる。
擽ったさと戸惑いは未だに消えないが「なんで?」と聞けばふたたびあのギラギラした瞳にとらわれてしまった。
「ンなの決まってんだろ、悪い虫避けだこんちくしょう。絶対晒してんじゃねえぞマリア?」
「ふぁい、っつーか、そんなの…見せれません。ってば」
これがお仕置きなのかと理解した時には色んな羞恥心に顔も耳も真っ赤になっていたのだった