I promise to be faithful to you even if death parts us _星に、願いを
「ちと、起きましたかぁ?」
んん、と眠たげな声を出しながら、千都はその言葉で目を覚ました
外はすでに夜の帳が降り、仄暗い部屋にはテーブルランプの淡い光が浮かんでいる。開けられた窓から流れ込む冬の空気に少し身震いをした
少し仮眠をするつもりが、少し寝すぎてしまったようだ
まだ覚醒しない頭で状況把握をしながら、今は何時だろうかとぼんやりと考える
「そろそろ始まりますよぉ」
その言葉で、もうそんな時間なのかと少し後悔した。本当に仮眠だけのつもりだったのに
そんな千都の思考を読み取ったのか、少し笑って雨は言った
「あめ的には、ちとの寝顔が見れて満足ですよぉ。ふふっ」
少しからかったような言い方だが、冗談では無いのだ。雨は、千都があまりよく眠れないのを知っている。知っていても、その原因を取り除く事はできない。だからこそ、ぐっすり眠る千都を見れた事は素直に嬉しかったのだ
それを知っているから、千都も冗談混じりで言葉を返す。いつものように、2人以外には意味の無い言葉のやり取りを繰り返す
_____やがて、空から星が降る
いくつもの星は、テラスにも、バシャルにも、平等に降り注ぐ。まるでこの世の物では無いような光景に、2人の少年の言葉も止まる
「雨、知ってる?」
1秒か、1分か、短い静寂を破ったのは千都の方だった
「星が流れる時に、願い事をすると、願いが叶うんだよ」
迷信みたいなものだけど、そもそもこれ流れ星じゃないし、と付け足す千都を見て雨は考える。いや、考える間もなく雨の行動は決まっていた
「来世も、ちとと一緒に居られますように」
それは、今の雨が願う全てだった
「……僕も。来世も、雨と一緒に居たい」
「お揃いですねぇ」
「うん。お揃い」
世界に、星が降る。命を終わらす、星が降る。この狭いワンルームで笑い合う少年達にも、平等に、隕石が降り注ぐ
呆気ないものだ。あれだけ争いを続けた世界は、どちらが勝つことも無いまま終わる
それに、何も思わない訳ではないけれど。最後の瞬間まで、大事な片割れの手を握る。
願いが叶うと信じて
【I promise to be faithful to you even if death parts us 】
死がふたりを分かつても