バカップルごっこ「よし、ヴェイン! 『バカップル』ごっこするぞ!」
「なに、バカップルって? ランちゃん、酔ってる?」
同居している家のリビングでお茶の準備をしていたら、唐突にランちゃんが言い出して、俺は目を瞬いた。
ランちゃんの思考回路は、流石、神童と言われていただけあるぜ、凡人には考えが読めない――と、言いたいところだけど、俺はランちゃんの考えていることは大抵理解出来る。
ランちゃんが突拍子もない内容を話し出すのは、イタズラを思いついた時。だって瞳がキラキラしちゃってる。
騎士団長の時に瞳が輝くのは、手合わせする時だけど、プライベートの時は違うんだ。
イタズラを思いついたのは分かるけど、内容までは流石の俺も分からなかった。うん、子供の頃から、イタズラに関しては、いつもランちゃんがひとりで考えてたもんな。
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