俺だけにして ランちゃんってば、普段は背筋をピンと伸ばして、騎士団長としてまったく隙のない姿を見せているのに、一滴でもアルコールが入ると豹変してしまう。
キリッとした騎士団長はどこにもいなくなる。
そこにいるのは、ただの二十七歳に見えないとびきりキレイな男だ。
――しかも、フニャフニャで可愛さがプラスされた。
そんな姿、誰にも見せたくないんだけどな。
「じーくふりーとさん!」
今夜もランちゃんはフニャフニャしてる。
師であるジークフリートさんと、見習い時代を共に過ごしたパーシヴァルに久々に会えて嬉しかったんだ。
普段、ランちゃんはアルコールを口にしないのに、今夜は飲んでいるのがその証拠。
口調が舌足らずで、口元も目元もふにゃんと緩んでいて、可愛らしい。
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