パイナップルの棘は凶暴 きっかけはなんだったのか。
ハリーと一緒に、学校から同じ家へ帰ってきて、バーナードさんの用意してくれたフルーツをつまんでいた。それだけのはずだった。
果肉に埋もれていた棘が刺さって、痛む舌をハリーに見せた。友人として過ごしてきた日々と大して変わらない、そんな些細な戯れのはずだった。それだけだったのに。
×××
αだとかΩだとか、そんなものは関係なく、ピーターは俺の大事な親友だった。こんな関係を築ける相手はこの世に二人となく、俺にとって、ある意味唯一絶対の存在がピーターだった。
ピーターと出会うまで、俺にとっての世界は父さんの敷いたレールの先へ誤ることなく進むもので、それ以外はみんな雑音だった。つまり、俺の世界は、父さんとピーターだけで構成されているようなものだった。だから、父さんがピーターの事を気に入ってくれたのは俺にとって喜ばしいことだったのだ。ピーターは、父さんにも認められた誇らしい親友だった。
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