「……こんなものっ」
デデデのハンマーを拝借してあの転送装置の前に立つ。怪しげな商売にすぐ乗っかるデデデもデデデだけれど、そもそもこんなものさえなければ大事にはならなかったのだ。元凶を絶ってしまえば良い。簡単な話だ。賑やかな足音が聞こえる。デデデは乱暴に扉を開けるとわたしを指す。デデデと少し遅れてやってきたエスカルゴンは目を丸くしていた。
「何をするゾイ!?」
「何って……見て分からない?」
「わわわ、フームが暴走してるでゲス!」
「だってこれがあるから村のみんなも困ってたじゃない」
「……やめるんだ」
藍色のマントがなびく。ハンマーはあっさりとわたしの手から離れた。メタナイト卿はこんな行動を取ったわたしに困惑している。気配を察することは難しいけれど、何を思っているかは少しだけ理解出来るようになった。小さい頃はその仮面が珍しくて、そして怖くなって距離を取っていたっけ。関わってみないと分からないこともある。メタナイト卿は一応デデデの部下だ。時々忘れそうになるけれど。
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