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    yurieanime

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    転生現パロオクバデ
    推しカプの眠りのシチュエーションが好きなので書いてみました。

    現パロのバデさんは自分の感情に素直だとかわいい

    #オクバデ
    okubade

    宝物の独り占めふっと掬い上げられるように目が覚めた。
    ちらりと部屋の中を見ると、カーテンから漏れる陽の光はない。今の時期から考えて深夜3:00といったところだろう。

    時計を見れば確実なのだが、身動きが取れない今は難しい。
    何故動けないのかというと、オクジーくんに抱き締められているからである。


    パートナーであるオクジーくんは、毎晩こうして私を抱き締めて眠る。
    せっかく大きいベッドなのだからのびのびすればいいのに、その方が安心するんです、バデーニさんは嫌ですか…?と言われ私は断れず、好きにすればいい、と答えた。
    そして私も、彼の大きな身体に抱き締められて眠るのは、存外、心地よかった。



    抱き締めて眠ると前述したが、されている立場から言わせてもらうと、これは"抱き締められている"と表現するのは違う気がする。

    "何かから守られている"感覚の方が強い。

    じゃないと、頭の後ろにまで手を回さないだろう。普通。


    ―彼は、何から私を守っているのだろう。
    もう、危険な毎日ではないのに。
    誰も私たちを追っていない。隠れなければいけない理由は無い。
    じゃあ、一体何から…?


    パラパラ、パラパラ

    「(もう降っているのか…)」

    耳をすますと窓を叩く雨音がする。
    確かに天気予報では「朝から雨が降る」と言っていたが、こんな深夜から降ることになるとは想定外だった。
    雨音で目が覚めたのだとしたら、余程浅い眠りだったらしい。

    ズキリ

    「(ッ、痛い…)」

    側頭部に鈍い痛み。
    雨の日によく起こる、気圧による偏頭痛だ。

    ざーざー、バシャバシャ

    そんな私を嘲笑うかのように雨足が強くなり、風も出てきた。
    たしか天気予報では一日中、雨。
    これから始まる今日一日のことを思うと憂鬱だった。
    はあ、とため息をつき痛みから逃れるようにギュッと目を瞑った。
    その時。


    さら、さら、さら

    「…!」

    誰かが、優しい手つきで私の頭を撫でている。
    今この状況でそんなの1人しかいない。

    「(オクジーくん…?)」

    私を何かから守るように回していたその手で
    髪を梳くように撫でている。

    起きているのかとそっと覗き込むが、私が愛する彼の両の眼は閉じられていた。

    …無意識、なのか?

    されるがままジッと見つめていると、彼の瞳がゆるりと開いた。

    「ん…あめ…?」

    どうやら彼も雨音で目を覚ましたようだ。
    しかし、私を撫でる手は止まらない。

    「雨だ。こんな時間から、もう降ってる」

    別に話しかけなくても良かったのだが、
    撫でられている真意を問いたくて意識をこちらへ向けさせた。

    「ん…バデーニさん…」

    寝ぼけ眼の彼と目が合う。

    「バデーニさん…ねれない?」
    「…!」

    思わず目を見開いた。
    私がジッと見つめていたから、眠れないと思ったのか。

    彼は私を見つめたまま、撫でる手は止まらない。視界に入っているだろうに。

    おそらく、彼の脳は半分寝ている状態だ。
    朝になってこの会話を覚えているかも怪しい。

    つまり、彼は完全に無意識に私を撫でている。
    何かから守るように抱き締めた手で、無意識に…。

    ふと、ズキズキと傷んだ偏頭痛が和らいでいることに気が付いた。

    ふ、と思わず笑みがこぼれる。

    「いや…私は随分、君に愛されているなと思っただけだ」
    「ん…?はい、あいしてます、バデーニさ…」

    話してる途中で睡魔に負けてしまい、すぅすぅと眠ってしまった。

    愛おしい人が、自分を見つめながら眠りに落ちる。
    こんなに愛おしいことはない。

    きっと君は、朝には覚えていないのだろう。
    私の胸の内だけの、宝物だ。

    愛おしさと喜びで満たされた思いを胸に
    私も眠りに落ちた。
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