クリア後データのジーノについて、色々と妄想していたのですが……やっぱりおかしいと思うんですよね。
確かに星の降る丘は人々の願いが落ちてくる場所、スターロードからやってきたジーノにとっては異変が起きたら調べるのは当然だとは思います。
けどその願いって、ジーノがわざわざ同行してまで叶える必要は無いんですよね。
そんな事よりもっと大事な事が、最後の戦いが目前に迫っている状態なんです。
武器世界に乗り込み、工場管理長達も倒して、ラスダーンの教えてくれる通り残るは大将一人の状態なんですよ。
アイテムが少なくなったから買い足しに行って、疲れたから家で……というのも考えたんですが、戦闘で有用なアイテムは全部カカリチョーと戦った場所で待機してるキノピオが売ってくれるんですよね。
お金が足りなくなったとしても、クッパ城内でカメザードが出してくれたブロックから無限に出てくる訳ですし。
何よりマリオRPG特有の血の気が多いマリオ兄さんが残すところカジオーだけという状況で引き返すとは思えないんです。
だってユミンパの時だって数的に不利な状況の中即刻殴り込みに行こうとしてましたし。
それにジーノだってコウジョウチョー達を倒した後に『もう後戻りはできないぜ』って言っていたじゃないですか。
だからあれはマリオの意思とは関係なく、強制的に戻されたんじゃないかなと思います。
では何故そんな事が起きたのか……?
『スターピースとか、本当はどうでもいい!』
再戦ベロ〜ムの時に作られる強化版偽ジーノに『なにかんがえてるの』を使用すると見ることのできる追加テキストです。
本編のベロ〜ム神殿にて戦う時の偽ジーノは『早くスターピースを集めなければ!』と使命感溢れたセリフなのに、こちらではどうでもいいと天空の使者としてはあり得ないレベルのセリフに変わっていますね。
これに関してはモンスターリストにて、再戦偽ジーノは仲間を思う心まではコピーできていない……とありました。
逆に言えば、正義感や使命感を取り除けば本物のジーノもそのような思考になると言えるのではないでしょうか。
カジオー戦の直前、ジーノはボク達の旅ももうすぐ終わる、その時は……と言葉を詰まらせていました。
この時、正義感や使命感で動いてきたジーノの心には、筆舌に尽くしがたい苦悩が渦巻いていたのだと思います。
本当はまだ皆と一緒にいたい、けれどスターピースが集まったら天空に戻らなければならない。
それが、天空の使者としてこの世界にやってきた自分の役目。
けれど、本当は……。
スターピースが集まらなければ、まだこの世界に留まっていられる。
皆と離れずに、まだ旅を続けられる。
だから……スターピースなんか、本当はどうでもいい。
さよならジーノ〜星の窓から見る夢は〜
ご存知、ジーノとのお別れのシーンで流れる音楽です。
クリア後にもらえる招待券で泊まったメリー・マリー村のスイートルーム……ジーノは夜中に一人窓の外を見つめ、振り返ってから何か考えるように腕を組んでいました。
私はあれは本編でストロベリー&ラズベリーと戦った日の夜……いわゆる記憶の再現的なものだと解釈しています。
つまり、強い光の正体は新しい願いではなく、あの時点ではまだ回収されていなかった4つ目のスターピースの光なのではないかと。
ジーノはあの時、“窓”から“見”える“星”に願いを、『皆と離れたくない、もっと皆と一緒にいたい』という“夢”を見ていたのかもしれません。
一時的にマリオワールドの住民になっていたため彼の願いは不完全な状態のスターロードに届くようになっていた……。
そしてその願いが『理由(再戦ボスとの戦い)を付けて少しでも長く皆といられるようにする』というちょっぴり歪んだ形で叶ってしまったのが、クリア後データなのではないでしょうか。
これは余談なのですが、私はリメイク版のエンディングを見るまでジーノとはもう二度と会えないのだと思っていました。
あくまでスターロードを直すため一時的に地上に降りてきただけであり、それが終わった今マリオワールドに留まる理由など無いので……。
でもパレードの最後の最後でジーノは星の精の姿でみんなのところに戻ってきてくれましたね、4人も嬉しそうにそれを見つめて……。
ジーノが戻ってこれた理由としては、結果的にスターロードが直った事でジーノの願いも叶ったという事の表れではないかと思います、良かった良かった。
強く想い続ければ願いは必ず叶う。
あの5人は必ずいつか再会し、再び冒険を………ひょっとしたら描写されていないだけで、既にしているのかもしれませんね。