門梶で俳優パロ、人を選ぶ題材「埋めたい」

梶何某と門倉何某、五年ぶりの共演作！くらいのノリで薄暗い邦画が観たい。
主人公役:梶が事故で人を殺めてしまったところから始まる。それを見ていた埋めることに生き甲斐を感じる赤の他人役:門倉が「大丈夫ですか？」
「警察呼びましょうか？」
と梶に向かって尋ね
「絶対呼ばないでください！！」
と叫ばれ
「それじゃあ、埋めに行きましょうか！」
するはなし。

「は？埋めるって何ですか、あああなた、カンケーないんですから僕に関わらないでくださいよ。早くどっか行ってください！！これは僕の問題なんですよ」
「でもそのままだと警察呼ばれちゃいますよね、逆にあなたは何で呼んでほしくないんですか？やましいことがあるからではないんですか？じゃあ埋めちゃいましょう。私、誰にも見つからない場所を知っているんですよ。火より海より、山が一番です。何たって埋められますから」

警察を呼ばれるのは不味いが目の前のこの人物も信用ならない、けれど体格差がありすぎて不利な状況である。ならば一旦この男とともに山に行こう。そうすればきっと誰もいない。梶は思案する。そうしてへらりと困ったように笑って「わかりましたよ」と頷いた。
門倉はにっこり笑って「では車を回します」と返した。

「あなた、お名前は？」
「カジです。あなたは？」
「カドクラと申します」
暗い車内で運転席に座る門倉の口角はずっと上がったまま、梶は不安を押し殺すように指を握り込み皮膚に爪を立てた。
一時間半走った頃、ガタガタとトランクから音がする。
梶は目を見開き口元を押さえて門倉を見た。
「脈は？確認しました？」
「し、してないです。だっ……て、全く動いてなかったん、ですよ！？」
「じゃあ生き返ったのでしょうねぇ。それで、どうします？この状況を説明してわかってくれるような人ですか？」
梶は無言で首を横に振る。門倉は考えた末に、路肩に止めて車を降りた。何をするのかとついてくる梶を余所に、後部座席にある軍手を嵌めて金槌を手に持つ。
トランクを開くとバタバタと暴れ、梶が殺したと思っていた人物が、人殺しとだけ叫んだ。すぐさま門倉はその口を塞ぎ金槌で頭部を二、三発殴ると相手はピクリともしなくなった。
「これで安心して埋められます。良かったですね、生き埋めにならなくて」
門倉の手際の良さと、自分が今門倉を止めて病院に連れて行ってやれば助かっただろう息をしなくなった相手を見て、その場で座り込む梶。門倉は梶を優しく立たせて助手席に乗せるとまた街灯もない道を走る。
「僕も埋めちゃうんですか」
涙の滲んだ目で問う梶、とうとう舗装もされなくなった道をいく四駆。
「埋めていいんですか？それはありがたい」
「埋めてほしくはないですけど」
「では、埋めません」
「埋めないんですか」
「はい、本人か第三者の希望がないと埋めません。後ろのは、カジの希望があるから埋めます。カジ本人は、希望がなければ埋めません」
「変なポリシーですね」
「本当は、埋めたいんですけどね」
「じゃあ……僕が埋めて欲しいって言ったら埋めてくれるんですね。どうしようかな、」
「着くまでに決めてくださいね。痛くないように殺して埋めてあげますよ」

オチは門倉を埋める梶です。

「ほら、ほら、出来た。カドクラさん！出来ましたよ！僕は子どもの頃から人の真似だけはじょうずなんです！だってそうでもしないと生きてはゆけなかった！カドクラさんと言うお手本があったから出来ました。ありがとうございます。きっと褒めてくれますよね。初めてにしてはとてもじょうずだね、すごいね、やった、嬉しい。綺麗に埋められた！明るくなったらもっと良く見えますね。春になったら、夏になったら、秋になったら！いつだって呼ばれれば来ますよ。呼んでください。その土の下から。僕の本当の名前を」


映画の番宣バラエティで仲良さげな門梶ください。
「実は以前共演してから本当に五年振りくらいにお会いして！僕は門倉さんに憧れてこの業界に入ったのも同然だったので、お話がきたときは本当に嬉しかったなぁ。マネージャーにドッキリじゃないですよね！？！？って何度も確認して、台本もらったらほぼいっしょのシーンしかないじゃないですか！！マジか？！？！って家で叫んじゃいましたよ！！」
「梶がこの調子で憧れてます！オーラバシッバシに出すじゃないですか、だから俺めっちゃ恥ずかしくて。でも役に入るとビッシィ変わるんすよ。ええ役者になったねぇ梶」
「か゛と゛う゛ござす゛！゛！゛」
「梶泣くなー」
梶を抱き寄せる門倉がカメラに抜かれ、ツイッタートレンドに入るところまで見守りたい。