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    しはる

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    しはる

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    エイプリルフールネタです、平和解決なのでご安心を

    エイプリルフール「別れましょう、はるたさん」

    「えっ」

    仕事から帰ってきて、一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、いつも通りだったはずだ。いつも通りだったリビングから、変な、言葉が聞こえた気がした

    「えっ、ど、どうしたの!あっ、きょうエイプリルフールか!」

    エイプリルフールの嘘、ということだと思ってほっとする。

    「やめてよ、!びっくりするから、!」

    そんな安心もつかの間、彼は申し訳なさそうな顔をしながらこう告げる

    「嘘じゃないです、ほんとに、別れてくれませんか」

    「……ぇ、だって、でも」

    「ごめんなさい」

    彼はそう言ってソファから立ち上がり、いつ準備したのかもわからないある程度の荷物を持って玄関へ向かっていく、ショックのあまりぼーっとその光景を見るしかできなかった僕は、玄関の扉を開ける音でハッとする。急いで玄関へ向かって、靴も履かずにざんじくんのことを追いかけ、彼の手を掴みギュッと握る

    「ざ、ざんじくん!お、お話、しよ??何か嫌なことあったの?ぼくなにかしちゃった?またこわくなっちゃったのかな?大丈夫だよ、!また2人でおはなしすれば」

    その瞬間、彼の手を握っていた僕の手が振り払われる。…その行動自体が理解が出来なかった、いつもの彼ならこんなこと、しなくて、だって、いつも、いつも手を握ってくれたのに、どうして、

    「もうやめましょう、こんなこと。」

    「……ぼく、なにかしちゃった?ねぇごめんね、ねぇ、ざんじくん、ごめんなさ」

    「あなたのそういう所…大嫌いなんです、人の顔色ばかり伺って、それにあなたって皆に平等なんでしょ?みんなの気持ちを組んであげるんでしょ?…それなら恋人をやってる俺の気持ちも考えて下さいよ…そんなことも察せないのにいい人面しないでください」

    「……で、も…ざんじくんは、ぼくの、そういうところがすきだって、いってくれたよね……?やさしいあなたがすきって……いって……くれたよね……?察せてなかったんだね……ごめんね?ぼ、ぼく、ひぐっ……ざんじぐんの……ひっく、き、きも、ち、ごめ、ぅぅぁ……」

    涙が止まらない、彼の気持ちを優先させてあげれなかったことや、彼から言われた言葉が思った以上に重くて、顔を上げることが出来ない。こういう時こそ話を聞いてあげないといけないのに…もう一度彼の手を握るが、案の定振りほどかれてしまう

    「…はぁぁ、泣かないでください。気分が悪くなるので…まぁ、そういうことで、これからは……他人として生きましょう。さよなら」

    「ま、まって、!!ざんじくん!!………げほっ!!ごほっ、ぉえっ、げほっ!…はぁ、!はぁぁ、ひゅっ、はぁ」

    こんなときに喘息の発作が出てしまう。感情がぐちゃぐちゃになったせいなのか、さっき全速力で走ったせいなのか、いつもより酷い発作のせいで立つことが出来なくなり、その場に倒れ込む

    「ひゅっ、まっ、ぉえ、まって……げほっ!げほ!ざん、じ、く、!う”ぇ…ひゅっ、かひゅっ、はぁ」

    吸入器は持ってきていない、呼吸ができない、目の前が、くらくらする
    …このまま好きな人と話が出来ないまま、嫌われたままぼく死んじゃうのかな、遠のいていく彼のことを追いかけることも出来ないまま、

    「ごえん、なざ…」

    「はるたさん!!!」
    ___________________

    「はるたさん、!起きて、!!」

    「…?かひゅっ、ざ、んじく、!!ぅえっ、げほっ!」

    「もう大丈夫ですよ、!ほら吸って…」

    目の前に吸入器が出される
    …それをゆっくりと吸っていく

    「ゆっくり吸って、そう、上手ですよはるたさん」

    彼の優しい手が、僕の上半身を抱きかかえてそれを吸わせてくれる。ここは寝室…?じゃあさっきのは夢?
    そんなことを考えながら彼の腕に身を任せる

    「…よし、息止めてください、10数えますから、数えたら息を吐き出して…10、9、」

    夢の中とは違う、いつもの優しい彼の声に安心する
    彼の体温、声、鼓動、全てに落ち着いて発作が収まっていく

    「1、0、息吐いてください…そう、上手ですね……落ち着きましたか?」

    「…うん」

    「よかった…じゃあうがいしましょうか、立てます?」

    「…う、ん、ひぐっ……ざんじく、ぅう、ぎゅーして……」

    「?!大丈夫ですか…?泣かないで、怖かったんですか」

    そう言って抱きしめてくれる彼に、よりいっそう涙がでてしまう。あぁ、こんな優しい彼が、こんなに愛してくれる彼が、僕のことを嫌うはずない
    そう心ではわかっていても、発作が起きたせいか悪夢の影響か、少し変なことを聞いてしまう

    「ざんじくん……ぼくのことすき……?」

    そういうと、少し驚いた顔をして、でもそのあと愛おしそうに微笑みながら、彼はこう告げる

    「はい、大好きですよ、この世の誰よりもあなたの事を愛してます。世界で1番、大好きな人です」

    あぁ、いつもの彼だ、大好きで、大好きで仕方ない彼の言葉

    「…へへ、ぼくもだいすき、!」

    これが現実でよかったと心から思ったと同時に、これが夢なら、一生覚めないで欲しい、そう願った
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