死者の約束なにもなかった
父は私の能力に夢中だった、私は他の"子"と比べて優秀だったらしい
だから父は私のその優秀な能力とやらに依存し、殺人鬼として育て上げようとした
痛かった、苦しかった、何を言ってもなにをやっても、練習台の人形にただただナイフを握って振りかざす毎日
飽き飽きした、いや、今考えればそういう感覚だったと言うだけで、当時はそれが何かすら感じれなかった
…私にはなにもなかったのだ、感情を感じ取ることさえできなかった
生まれた時から今まで……だからなぜ父が私の依頼を途中でやめてしまったのか、なぜ私を普通に育て始めたのか分からなかった
「…お前には、間違った道を歩ませてしまった。これからは普通に生きなさい」
884