宿伏版ワンライ
(プレゼント/牽制/香り)
呪専宿、if高専
宿→→(?←)伏
計略家な宿と狙われた鈍感伏のお話
ベッドヘッドを背もたれに足を投げ出して本を読んでいた時、ページを捲った瞬間にピリッとした痛みを感じて、ああ…しまったな。と内心で舌を打つ。
「ッ…」
「どうした?」
ページを捲った際に左手の人差し指を切った。
小さな鋭い痛みに息を呑んだせいか俺の様子に気付いた宿儺が、キッチンからコーヒーを入れたマグカップを両手に戻ってくる。
犬のデザインが描かれている色違いのマグカップをローテーブルへ置いてすぐに宿儺がベッドへ近寄ってくる。
「紙で切った」
「治してやる、見せてみろ」
ぷくっと小さく浮き出てきた血を見れば傷口も薄らと浅いもので、拭き取ってしまえば簡単に止血できるだろう傷だ。
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