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    hakkabox

    @hakkabox

    考察と妄想とポエムとメモがごっちゃになりがちなので、とりあえず思いつきを放り込むボックスを作ってみました。作品未満のまとまらないポエムとか、脳内会話とか、ネタバレメタ視点だとか!
    緩く生暖かくご覧いただけると幸いです。

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    hakkabox

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    古の昔、サイトに乗っけていたタブロイド紙風のお遊びより。幻水3の発表前なので、「最後の」なんてつけたけど、アルベルトやシーザーが登場してくれたので、最後じゃなくなったね! やったね、シルバーバーグの系譜は続くんだぜ……!
    そんなわけで、リキマルがシルバーバーグの系譜なんじゃねえかと、実は今でも疑ってますw

    最後のシルバーバーグ最後のシルバーバーグ


      赤月帝国の末期、まるでその命運をともにしたかのように、不可思議な衰運に見舞われその血脈の大半を失いながらも、トラン共和国の成立に欠くことの出来ぬ役割を果たした一族シルバーバーグ。だが隠された血族の存在があることを、どれだけのものが知っているだろうか?



    先代シルバーバーグの遺児は三人だった


     その知略を讃えられるシルバーバーグ一門の中でも、まれにみる傑物との評価を受けながら早世した先代の血が、その子供たちにしっかり受け継がれていたことは、ここ数年の動乱の時代に余すことなく証明された。オデッサ・シルバーバーグ、マッシュ・シルバーバーグ……トラン共和国建国にはたしたこの二人の功績の大きさはあらためて語るべくもないだろう。だがあまり知られていないことではあるが、先代の遺児は三人いる。この偉大な兄妹の業績に隠されて、言及されることも少ないが、マッシュ、オデッサの下にさらにもう一人、シルバーバーグの血を引く男児が存在するのである。
     この男児について、詳しい資料は何もない。シルバーバーグ家は、その生業のためか、一族に関する情報を公にすることはほとんどない。我々市井の人間がシルバーバーグの一族の名を聞くのは、やはり軍師としての名声としてであり、その私生活については、まず一般の人間に知られることはない。故に我々がこの最後のシルバーバーグについて知っていることはごく限られた情報でしかない。正確な年齢すら、あくまで類推の範疇を出ないものなのだ。
     だが、いまだ混迷うち続くこの時代、マッシュ、オデッサと同じ血を引くシルバーバーグの才が、このまま市井に埋もれてゆくとは考え難い。このいまだ世に出ぬ最後のシルバーバーグについて、俄には信じがたいある噂を聞いた我々は、さっそくその裏付けを取るべく、取材を開始したのである。
     その名すらつまびらかにされていない最後のシルバーバーグ……いまだ世に知られざるこの男の実像をを探るため、我々はまず、セイカに注目した。我々が耳にした信じがたい噂――それによれば、最後のシルバーバーグは、このひなびた田舎町の出であるという。成程、セイカはかのマッシュ・シルバーバーグが一時期隠遁地としていたことでも知られるように、シルバーバーグ家とは縁の深い土地柄である。マッシュ、オデッサ、この両人の出生地は明らかにされていないが、おそらく帝都であるグレッグミンスターか、あるいはシルバーバーグ家の領地であろうと推測される。また、三人の遺児の母親、つまり先代夫人だが、この佳人もまた若くして世を去っている。おそらく末子の誕生後間もなくのことだろう。両親を相次いで失い、若年のうちにシルバーバーグ一族の家督を継いだマッシュの後見にあたったのが、先代の弟であるレオン・シルバーバーグであることは世に広く知られるところである。
     先代の才を受け継いだマッシュは、鬼才レオン・シルバーバーグの教えも良かったのか、継承戦争において、かの「青い月」カシム・ハジル将軍の元、際だった才を明らかにした。当時のマッシュは25才。既にレオンは後見を離れ、マッシュは一家の長としてシルバーバーグ家を取り仕切っていた。バルバロッサ軍や引き続く赤月帝国軍正軍師の座には、年長者であるレオンに遠慮をしたのか、とうとう就くことはなかったが、その才が決してレオンのそれに劣るものではなかったことは、その後の歴史が語っている。
     マッシュの隠遁については様々な憶測が飛び交ったが、そのどれもが伝聞の域を出るものではない。だが、トラン共和国樹立後、徐々に明らかにされた黄金皇帝バルバロッサの治世の暗い側面にまつわる資料をひもとけば、そのおよその理由は察せられる。この隠遁と、その後の第二期解放軍への参画に至る経緯も大変興味深く、また見解も分かれるところだが、我々の今回の目的はそこにはない。歴史の狭間になおその姿を隠したままの最後のシルバーバーグ……彼の姿を白日の下にさらすことこそ、この記事の最終的な目的なのである!
     マッシュがセイカで過ごした隠遁生活――この穏やかな暮らしの中に、妹であるオデッサや、我々が探し求める最後のシルバーバーグに当たる末子の姿はなかったという。当時オデッサ・シルバーバーグは、その後の激動の運命も知らず、帝国貴族との婚儀を控え、グレッグミンスターで暮らしていたが、そこにも末子の姿は見あたらない。と、いうことは、この末子の年齢から考えても、また、当時のマッシュが完全に隠遁してしまっていたことから考えても、この時期、この最後のシルバーバーグは、学を納めるために、赤月帝国を離れていた可能性が高くなる。
     もちろんあくまでこれは推論である。だが、オデッサ・シルバーバーグの反逆に際して、もしこの末子がグレッグミンスターに起居していたのならば、当然反逆罪に連座させられていただろう。ところがそうした事実があった形跡がない。
     マッシュにせよオデッサにせよ、そして問題のこの末子にしても、シルバーバーグの血を引くものには先見の明があるはずだ。当時の帝国の情勢を把握できないはずもなく、隠遁していたとはいえマッシュはやはり、シルバーバーグ家の長である。成人を迎え他家に嫁ぐ予定であった妹はともかく、いまだ学齢の弟を、そのような情勢下のグレッグミンスターに一人取り残しておくとは考えがたい。学問の重要性を人一倍認識していたマッシュのことだ。おそらく帝国の情勢を鑑みて、自らが後見する末弟をハルモニアのクリスタルバレーに留学に送り出していたのだろう。現に、マッシュの最後の愛弟子であるアップルも、クリスタルバレーで学んだ経験があるのだ。孤児である彼女が自力で留学にまつわる費用を捻出できるはずもない。そこにマッシュ・シルバーバーグの強い意志が働いているのは言わずもがなのことであろう。
     おそらく解放戦争当時、この最後のシルバーバーグはハルモニアにおいて、学業を修めていたに違いない。そして解放戦争に関わる兄や姉の悲報……感受性がもっとも鋭敏な時期の若者は、遠く離れた異国の地で、まるで新国家の人柱となるかのように倒れていった兄や姉に、一体何を思っただろう。青春期特有の、一種の無常観に囚われることがなかったとは言い切れない。長兄のマッシュが継承戦争後、一度は戦いの場から姿を消すことを決心したように、彼もまた、シルバーバーグの名を負って、一軍の命運を司る立場に疑問を持ってしまった可能性も否定できないだろう。ここで、例の噂が俄に信憑性を持って浮かび上がってくる。



    噂の真相


     ではここで、我々が耳にした、俄には信じがたいその噂の全てを明らかにしよう。驚くべきその噂――それはなんと、デュナン統一戦争に参加していたとある人物こそ、実は我々が捜している最後のシルバーバーグであるというものである! 我々が接触した、両戦争を良く知る事情通の商人というこの人物が語ったその人物とは、我々取材班をも驚愕させるものであった。ヨタ話にしても大概にしやがれ、よくある誇大妄想で持ち込まれたガセネタかと、一笑に付そうとしたその時、彼が根拠として持ち出したのが、これまで述べてきたような、一連の推測である。
     果たして読者諸兄には、この人物が一体誰であるか、おわかり頂けただろうか? デュナン統一戦争での108星の一人であるこの男――おそらくその名乗る名は偽名であろう。また年齢は29歳未満。これはオデッサ・シルバーバーグが現存していた場合の年齢であり、彼女の弟である最後のシルバーバーグは、当然彼女よりも若年であることから容易に判断できる事項だろう。

    読者諸氏への挑戦状

     さて。ここで我々取材班は読者諸兄に挑戦状を差し上げよう。我々が驚愕した、この最後のシルバーバーグが一体誰であるのか、貴兄らの明晰な頭脳で見事あてて貰いたい。回答は来訪帖まで。見事正答した諸君には、もれなく管理人へのリクエスト権がプレゼントされる。二度の戦乱による流通悪化から回復し切れていない状況では、ろくな賞品も用意できないが、心ある諸兄の参加を心から呼びかけるものである! 回答期限は正答がアップされるまで。おそらくは2001年1月末日頃となると思われる。また、管理人宛に質問疑問があればこれも来訪帖にて気軽に問い合わせて貰いたい。回答以外ならば出来る限り情報提供に応じる用意がある。
     それでは諸君らの検討を祈りながら、ひとまず稿を閉じることとしよう。願わくば、ここに正答をお届けする時に、誰一人として参加していないなどという、シベリア大寒気団もかくやというほどの寒々しい状況に陥っていないことを切望する。
     それでは諸君。Good luck!


    ※この企画は終了しました(笑)





     最後のシルバーバーグ 解決編(?)





      赤月帝国の末期、まるでその命運をともにしたかのように、不可思議な衰運に見舞われその血脈の大半を失いながらも、トラン共和国の成立に欠くことの出来ぬ役割を果たした一族シルバーバーグ。前回ではこの失われたシルバーバーグの最後の遺児の謎に迫った本企画であったが、いよいよその謎が解明される時が来た。マッシュ、オデッサに続く第三のシルバーバーグ、その驚愕の正体とは?



    セイカ生まれのその男……


     結論から先に言おう。その男の名はリキマル。デュナン統一戦争における108星の一人であり、 地暗星。ハンフリーに勝るとも劣らぬ大刀を自在に振るい、その健啖振りで傭兵隊の台所事情を一挙に 悪化させたとも言われる男である。
     ただの力馬鹿でじはないのかと、読者諸兄も不思議に思われるかもしれないが、だが今一度彼のポートレートをよく見て貰いたい。もしもお手元にマッシュ・シルバーバーグの肖像があれば見比べては貰えないだろうか。注目すべきはその額の生え際と、それから頬のあたりの骨格である。リキマルのあの蓬髪をきちんと撫でつけたところを想像して欲しい。髪の色合いはもとよりシルバーバーグの特徴である赤茶であり、また頬骨の発達の度合いもよく似ている。あの粗雑さがもしも正体を悟られぬための仮面だとすれば、それもまたシルバーバーグ家の鬼才を裏付けるものではなかろうか? 
    我々にこうした情報をもたらした商人の話では、リキマルというその名もどうやら偽名であるらしい。推測だが、と断った上で、彼はリキマルの本名の手がかりをも我々に語ってくれた。確かにリキマル・シルバーバーグでは洒落にもならない。おそらく最後のシルバーバーグである彼は、自らの愛称をセイカ風にもじってリキマルと名乗っているのではないかという話である。リキマルという垢抜けない名の元になるような、帝国貴族に相応しい名――我々取材班は独自にこのリキマルの本名についても推測を働かせてみた。この結果、リチャードという名が有力候補としてとりあげられた。
     リチャードの愛称は、リッキー、リック、それにチャックなど。リッキーと呼ばれていた少年が、結果的には兄と姉の命を奪うことになった名門シルバーバーグの名も、それから己の本名をも捨て、身を一介の市井の浪人にやつして世を質す……天魁星の悲劇の陰に隠れてはいるが、これもまた、涙無くては語れぬ物語なのではなかろうか。
     勿論今の段階では、どんなに弁を尽くしても、これら全ては仮説に過ぎない。デュナン統一戦争の後、リキマルは「仇討ちのため」と称して姿を消しており、いまだその後の消息は知られていない。知られざる最後のシルバーバーグの正体は、今後の歴史の中に求めるしかないのだろう。だが……われわれ取材班は以上の推論をもとに、最後のシルバーバーグ=地暗星リキマル説をここに強く推すものである。
    なお最後になったが、我々取材班としては、今後明らかになっていくだろうこの最後のシルバーバーグが、この不世出の軍師の家系に立ちこめる悲劇の枷をうち破り、亡き家族の分まで幸せを手にすることを、心より祈るものである。どうか今後の歴史の中で、再びシルバーバーグ家が、その悲劇性をもって語られることがないよう、我々は祈るのみである。


     挑戦者への感謝状


     さて、前回で募集した我々の推理への読者諸兄の挑戦状だが、見事正解を射止めた読者がいる。誰にも相手にされないのではと怖れたこの企画に、来訪長で見事に正答してくれたのはしばさん。約束どおり当サイトへのリクエスト権を贈呈して感謝の意を表したい。礼というには些末なものに過ぎるが、受け取っていただければ有り難い。また、回答編のアップが遅れたことも、併せてお詫びさせて頂き、今後の糧とするお許しを頂ければ幸いである。
     なお当サイトではこれに懲りずにまた似たような企画を立ち上げる予定があるとかないとか。その折りにはどうかより多くの読者諸兄の参加を頂ければ、管理者望外の幸せである。




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    そんなわけで、リキマルがシルバーバーグの系譜なんじゃねえかと、実は今でも疑ってますw
    最後のシルバーバーグ最後のシルバーバーグ


      赤月帝国の末期、まるでその命運をともにしたかのように、不可思議な衰運に見舞われその血脈の大半を失いながらも、トラン共和国の成立に欠くことの出来ぬ役割を果たした一族シルバーバーグ。だが隠された血族の存在があることを、どれだけのものが知っているだろうか?



    先代シルバーバーグの遺児は三人だった


     その知略を讃えられるシルバーバーグ一門の中でも、まれにみる傑物との評価を受けながら早世した先代の血が、その子供たちにしっかり受け継がれていたことは、ここ数年の動乱の時代に余すことなく証明された。オデッサ・シルバーバーグ、マッシュ・シルバーバーグ……トラン共和国建国にはたしたこの二人の功績の大きさはあらためて語るべくもないだろう。だがあまり知られていないことではあるが、先代の遺児は三人いる。この偉大な兄妹の業績に隠されて、言及されることも少ないが、マッシュ、オデッサの下にさらにもう一人、シルバーバーグの血を引く男児が存在するのである。
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