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    ぽげれけ

    @poge_look

    せっかく専用垢作ったし、いろんなサービス利用してみたいので試運転。
    見る専だったので何がなんなのか。

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    POIPOI 19

    ぽげれけ

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    忘年会、新年会シーズンですね。このご時世でできないけど。
    両片思いすれ違いメポコビ(軍曹長)のつもり。
    誤字脱字見逃してください。

    #メポコビ
    mepokovi

    酒は飲んでも飲まれるな コビーは一人、自室で相棒の帰りを待っていた。

     今日は年末ということもあり、海軍では忘年会と称して宴会を開いていた。都合のつく海兵は階級や男女問わず集まって大いに盛り上がっていたが、時計が12時を指す前に次の日も任務があるものや、酒の飲めない未成年などはお開きとなり、ちらほらと宴会場を後にしている。コビーもその例に漏れず、次の日は休みであったが酒は飲めないし、酔っぱらった上司たちに絡まれても面倒なので早々に切り上げて帰ってきていた。
     相棒のヘルメッポは、他の上官達に気に入られているのもありどんどん酒を進められていた。「先に帰ってろ。俺も早々に切り上げて帰るから。」と酒の飲めない自分を逃がしてくれたのだ。もう時計は2時を指そうとしている。眠りたい気持ちもあるが、せっかく自分を逃がしてくれた相棒に感謝と「おやすみなさい」を伝えたい。

     コビーは、ヘルメッポに恋心を抱いている。いつかこの気持ちを伝えたいと常々考えてきた。墓場まで持って行く気はない。しかし、伝える決心もつかない。優しいヘルメッポのことだ。嫌な顔はしなくても、気を使ってゆっくり距離をとってくれる。気づかないようにそっと隣からいなくなる。きっと、振った、振られた相手といつまでも一緒にいたくないから。でも、そんなことはしてほしくない。隣にいてくれないなら、恋仲になどなれなくてもいい。だから、せめて、ずっと傍にいたい。コビーはベッドの上でうなだれる。
    「…ヘルメッポさんも、同じ気持ちだったらいいなあ。好きですって、いつか言えたらなあ…。」
     だんだんと眠気が襲ってくる。あくびを一つして、諦めて眠ってしまおうかと思っていたところで、部屋の扉が開いた。
    「!おかえりなさい、ヘルメッポさん。ずいぶん遅かったですね?」
    「…お~、こびぃ、たらいまぁ~。」
    「わわっ、ちょっとヘルメッポさん!しっかり立って!…酒臭っ!どんだけ飲んだんですか?」
    「へへへ~。こびぃ~。」
     ヘルメッポは帰ってくるなりコビーにうなだれる。だいぶ酔いが回っているらしく、呂律が怪しい。コビーはヘルメッポの体を支えるとベッドまで誘導する。
    「ヘルメッポさん!ほら、…あ!ちょっと待ってください!着替えて!せめてコートだけでも脱いで下さっ、ああ!寝ないでください!」
     ヘルメッポの意識はほとんど夢の中の様だ。「んー…。」と唸りのような声をあげてコビーにされるがままコートを脱いでいく。コビーがすべて着替えさせるのをあきらめて、ベッドを離れようとするとヘルメッポに腕をひかれベッドに倒れこんでしまう。
    「うわっ!ヘルメッポさん、何するんでっ…、」
     コビーは息が詰まった。目の前には大好きな相棒。酒に浮かされ、熱を帯びたその瞳に見抜かれて心臓がドクンドクンと脈打つ。押し倒されていると理解したとたん爆発してしまうんじゃないかというくらい早くなる心臓の音がうるさい。ヘルメッポから目が離せない。どうしようと頭の中がぐるぐるしているコビーをよそに、ヘルメッポがコビーの頬に手を添える。
    「…あ、あの、ヘルメッポさ…、」
    「…かわいい。」
    「…へ?」
    「かわいいなあ。やっぱり、好きだなあ。」
     ヘルメッポはつぶやくと、驚きで思考が追い付いていないコビーに、追い打ちをかけるようにキスをした。
    「んっ…?、!?!?」
    「ん、チュ…っは、はぁ、…もっかい、ん、」
    「っ!ま、まって、んんっ…クチュ、んはっ、あ、」
     何度か唇を重ね、舌が絡み合う感触にコビーは全身がとろけるような感覚がした。
    「(今、僕、ヘルメッポさんとキスしてる…嘘みたい。夢、みたい。ヘルメッポさん、酔ってるだけなのに、寝ぼけてるだけなのに、ダメ、なのに、…もう少しだけ、もうちょっとだけ、このまま…。)」
     どちらともなく唇が離れ、お互いを見つめる。愁いを帯びた瞳でヘルメッポを見つめるコビーは頬を染め、「好きです。」とつぶやいた。口からこぼれてしまったその告白にヘルメッポは「…俺も。」と告げてコビーを抱きしめる。
    「え、…う、嘘っ、本当に!?ねえ、ヘルメッポさ…!」
    コビーが歓喜のあまり、抱き着いてきたヘルメッポを引きはがし顔を見ようとすると、ヘルメッポは目を閉じ寝息を立てていた。
    「ちょっと!寝ないでくださいよ!…もう、」
     コビーはヘルメッポを揺さぶるが、起きる気配なし。仕方なくコビーも一緒に眠ることにした。
    「(明日、もしかしたらヘルメッポさんこのこと忘れてるかもな…。でも、好きって言われたのは本当だし、朝起きたら思い切って言っちゃおうかな?…期待してもいい、よね?)」
     コビーはすやすやと眠るヘルメッポを見つめる。


    翌朝、コビーが目覚めるとヘルメッポの姿はなく、台所の方からカチャカチャと物音がしていた。かすかにみそ汁のいいにおいがする。
    「んん、…ヘルメッポさん?」
    「お、コビー起きたか。」
    「おはようございます。」
    「おはよ。昨日は悪かったな。」
    「っえ!いや、そんな!む、むしろ嬉しかったなんて…。」
    「いやー俺もあんな時間まで飲むつもりなかったんだけどさ。〇〇少将が離してくれなくって。ま、お前は先に帰れたし、今日は休みだから問題ねえっちゃねえんだけどよ。」
    「(…あれ?)」
    「にしても、量はセーブするべきだったな。さっきから頭、痛くて痛くて…。」
    「(あれ?なんか…)…ヘルメッポさん、昨日の、その…、」
    「ん?なんかあったか?実はよー、昨日部屋まで帰ってきたことは覚えてんだけど、そのあとのこと記憶曖昧なんだよなぁ、…俺コートいつ脱いだ?」
    「あ、いえ、何でも、…コートは僕が脱がせました。しわになるから…。」
    「そっか、わりーな。」
    「いえ…。」
     コビーはヘルメッポが昨夜のことを覚えていないことに落胆した。昨夜の時点で相当酔っていたことは間違いないし、忘れている可能性もあると分かっていたものの、少し寂しい気持ちになる。しかし、くよくよしていても仕方がない。昨日のことはヘルメッポが忘れているだけで実際に起こったことなのだから。コビーはいまだ頭が痛いと顔をしかめるヘルメッポに話しかける。
    「よほど飲んだんですね。いつもはそんなに飲まないのに。」
    「いやな?少将たちが明日休みならどっか店に行って二次会しようって言いだして一回本部出たんだよ。そんで少将のおすすめの店に行ったんだけどそこの姉ちゃんがすごい美人ばっかりでさ。」
    「…へえ。」
    「隣に座ってお酌されたら、飲まずにはいられねえよなぁ。その上、少将のおごりだなんて言うから、たくさん飲んじまった。」
    「そう、ですか。」
    「いやー、いい店だったぞ?酒はうめえし、姉ちゃんは美人でかわいいし。気持ちよく酔いすぎて、昨日その美人姉ちゃんとイイ感じになる夢まで見ちまった。ひぇっひぇっひぇっ。」
    「…っ、(そっか、昨日のあれって…。)」
    「お前も酒飲めるようになったら一緒に…、コビー?どうした?」
    「え?あ、すいません。何でもないです。僕、ガープ中将に出さないきゃいけない報告書あるの忘れてました。ちょっと行ってきます。」
    「お、おう。」
     コビーは部屋を出ると一目散に走りだす。朝方で出歩いている海兵はまばらだ。周りに誰もいないところでしゃがみ込み、嗚咽を押し殺す。
    「…っ、う…、うぅ’’…、グスッ…、(…泣くな、泣くな!…僕が勝手に勘違いして、勝手に浮かれてただけだ。ヘルメッポさんが僕みたいなやつのこと好きになるわけないじゃないか。酔って、寝ぼけて、僕と女の人を間違えただけ。分かってただろ。こんなことで、泣くなよ…。)」
    「…バカみたいだ、もしかしたら、ヘルメッポさんも、僕と同じ気持ちなのかもって…、」
     まだ、涙は収まってくれないようで。コビーはしゃがみ込んだまましばらく動けなかった。


     所変わってコビーとヘルメッポの部屋。
    部屋でコビーが出ていった扉を見つめ、ヘルメッポは一人つぶやく。
    「……上手く、誤魔化せたよな…。」

    互いの気持ちを知るすべは今のところない。





    続かない。
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